スイス アール・ブリュットの巨匠ーハンス・クルージー展が銀座の永井画廊で9月1日から9月30日まで開催されています。数多くの制作物の中から約20点が展示されています。
永井画廊のオーナーは、テレビ東京の人気番組「開運!なんでも鑑定団」で絵画の鑑定をレギュラーで担当する永井龍之介氏。
永井画廊は、花椿通りと並木通りが交差する角に位置する河北新報ビルの5F
東京都中央区銀座8-6-25 (TEL: 03-5545-5160)
9月1日訪問し、永井氏自らに説明していただきました。
【ハンスクルージーの紹介】
スイス・チュリッヒで孤児として育ち、55歳の時に独学で絵を始めたハンス・クルージー(1920~1995)は、路上で絵を売りながら生計を立て、安っぽい用紙やボール紙に身近な人物、小動物、牧場風景などを描いています。自然体で作為のない表現が魅力いっぱいの絵です。「どのような絵を描くのでしょうか」と問われると、回答に困るくらい多様な絵が展示されています。独学で勉強して描いていたので、多様な絵となったと考えられます。
Gouache(グワッシェ)やフェルトペンなどで身近な対象物を描いています。
* グワッシェとは: 不透明な水彩絵具、またはこれを用いた技法、絵画。現代のグワッシュ絵具は、水溶性のアラビアゴムを媒材として顔料と混ぜたもの。18世紀のフランス,スイス,イタリアの水彩画家たちは、パステル調の発色をもつ表現を開発。20世紀に入ると、ポスターやイラストレーションなど幅広い分野で用いられています。
【作品について】
路上の花売り男"クルージー"は、20世紀前半スイスアールブリュットの三大巨匠ヴェリフリ、ミュラー、アロイーズを継ぐ後半を代表する作家と位置付けられ、1995年没後多くの遺作がスイスやフランスの美術館に収蔵されています。
画廊には20点程の作品が展示されていますが、その一部を紹介したいと思います。
魚が見える絵は、厚紙にミクストメディア 24.5x24.0cm 1990年制作です。絵の多くは制作年不明です。販売価格は20万円から数十万円です。
余談ですが、生前歌声がテープに残っておりこれらが没後レコードやCDとなっています。ユーチューブにアップされていますので、興味のある方は是非聞いてみてください。
(私見としては、絵を見て感じる"ほのぼの"とした雰囲気は全く感じられません。鼻歌のような感じでした)
https://www.youtube.com/watch?v=0KRZr3m_kAc
https://www.youtube.com/watch?v=c9XPjFeCF28