9月13日にリニューアルオープンした東京凮月堂に久しぶりに寄ってみました。2階で軽くランチをいただくことに。窓際の席に案内されたので中央通が真下ですが通りの喧騒が全く聞こえない別空間。サンドイッチは2種類を選ぶことができそれぞれクロワッサンにサンドされています。
東京凮月堂は明治5年(1872)の創業で今年創業145年にもなる老舗です。暖簾分けを受けた番頭の米津松造は研究熱心・アイデア豊富な人で日本で最初の貯古齢糖(チョコレート)を製造販売し、その後もビスケットを明治9年(1876)第一回の内国勧業博覧会に出品しています。
ビスケットに「乾蒸餅」と漢字の名前を宛てられたのには不満だったとか。その後もサンフランシスコに菓子製造法の勉強に行った長男からのレシピでシュークリーム・マロングラッセ・マシュマロなど文明開化の匂いのする当時の日本人が初めて見るハイカラな洋菓子を次々と考案・発売しました。明治10年には現在の銀座6丁目に移り、こちらではフランス料理も始めカレーライス・オムレツ。ビフテキなどハイカラ料理を8銭均一で提供しています。山本博文先生の「明治の金勘定」によると明治35年にカレーライスは5~7銭で換算すると今の値段で約1000円から1400円、ということは明治10年の8銭は結構高価ですね。5年後には創業150年になる凮月堂さんで「再現!創業時のハイカラ料理」が頂けると楽しいですね。そうそう「凮月堂」さんの店名は寛政の改革で知られている松平定信から自身の雅号を賜ったものだそうです。「凮」という字は「風」の*古字で現在凮月堂にしか使われていません。*古字―昔使われた文字や書体。現在は用いられていない
東京凮月堂 銀座本店
銀座2-6-8 電話3567-3611
10時―22時