先に、人形町界隈の説明板に英語説明が併記されていない、ということを述べましたが、区内でも相当数の説明板では、英語表記のものに変わってきているようです。例えば、晴海の「日本万国博覧会事務局棟跡」、佃の「海水館跡」に設置されたもの等です。
「海水館跡」説明板は、平成21年(2009)3月と表示されていますから、8年以上も前に設置されたものです。(『ものしり百科』の「区民史跡」の部分で挙げられていた写真は、英語併記がなされていない時に撮影されたものであることが明らかでしたが、2017年10月発行の最新版では、やっと最新の写真に入れ替えられたようです)。
英語で説明する場合、例えば、中央区の大部分は埋め立て地(reclaimed land)である、などと話しても、この中にはRとLが複数含まれていることもあり、口頭だけでは果たして通じたかどうかは覚束ない感じがします。なるべく同意語を重ねるように努めてはいるのですが、例えば、辞書によると"reclaim"とは海を、"fill up"とは、池・川などを、埋め立てる意で使われるそうなので、誤訳にもなりかねないのです。
誤解を避けるためにも、口頭のみのコミュニケーションとするのではなく、英語での説明を示しながら、その要点を口頭で話す、というパターンがよいのではないかと思います。
私は、あるアジアの国で、運転手があまり飛ばすので、"Safety First"と言ったら、ギョッとしたような表情で振り向かれて、思わず「危ないじゃないか!」と叫びそうになったことがあります。後から考えると、"Safety First"という語句が和製英語くさいし、どうも、"First" を"Fast"(速く)と聞きとったようでした。"Safety Fast" などと言われれば、ギョッとしたのも当然です。
そのように、口頭だけでは思わぬ誤解も生じます。そうした意味も含めて、区内の説明板は早急に英語併記のものに改めるべきでしょう。
「海水館跡」説明板