「進行左手に見えてきましたのは、東京駅東口でございます。
2016年、鎌倉の由比ヶ浜から上陸したゴジラが、凍結作戦により動きを止めたのが、この周辺でした。
本日は雨のため、グランルーフの上空が見えにくいのですが、その体長118.5m。
第4形態に進化したゴジラの、なんと恐ろしい姿でしょうか。」
10月29日、「中央区まるごとミュージアム2017」の巡回バスのガイドを担当させていただきました。
バスは銀座六丁目バス停から外堀通りを北上、呉服橋交差点を右折して日本橋バス停へ向かいます。
今走っている外堀通りが、千代田区との区境界です。
東京駅西側には赤レンガ造りの丸の内駅舎があり、100年前の辰野金吾博士による設計当時の姿が復元されています。
東側八重洲口には、帆船の帆をイメージした大屋根、グランルーフがあるのですが、雨のためにくもるバスの窓越しには、全体像がはっきりと見えにくくなっています。
見えないならば、見えない話をしましょう。
(シン・ゴジラは、すでに地上波でも放送されましたが、ネタバレ注意です。)
東京湾から現れ、各地に甚大な被害を与えてきたゴジラ。
口から吐き出す熱線で、銀座四丁目の和光ビルを、一瞬で斜めに切り裂いてしまった。
首都圏に壊滅的な被害を与え、巨大化、狂暴化する、破壊神ゴジラ。
自衛隊、警察、消防、技術者、様々な部署で人々の決死の行動が続く。
ゴジラ凍結作戦。ヤシオリ作戦だ。総力戦となる。
「宇宙大戦争マーチ」に乗り、品川で待機していた東海道新幹線N700系2編成が、ゴジラの足元に突入する。無人新幹線爆弾だ。
八重洲通りから、または鍛冶橋通りから接近を試みたのが、特殊建築重機群第1部隊。
コンクリートポンプ車、タンクローリー群が、ゴジラの口中に血液凝固剤を投入する。
そして、荒れるゴジラを押さえるために、一気に全速力で突入する、山手線、京浜東北線、東海道本線、中央線快速の各列車。E231系及びE233系からなる無人在来線爆弾である。
すげーッ。
チェーンのように巻き付き、ゴジラの動きを制御する。
きっときっと、次の作戦に備え、地下を走る総武線や横須賀線、東京メトロの各車両も攻撃態勢を整えていたに違いない。
ゴジラは、東京駅八重洲側寄りの線路上で、その活動を停止させた。
「今では、東京駅でゴジラを見ることはできません。
もし、その姿をご覧になりたいのなら、そうですね。新宿歌舞伎町に行ってみてください。
新宿東宝ビルの上から、先代のゴジラが顔をのぞかせていますよ。
ちなみに、新宿区からは特別住民票が交付され、新宿観光特使に任じられているとか。
すごいですね。」
こんなこと言って、はしゃいでいました。