今回もまた人形町の魅力をご紹介します。
ご存じのとおり、この界隈は江戸時代初期から江戸府内屈指の繁華街として栄えたところです。人形浄瑠璃や歌舞伎の小屋や寄席が立ち並び、喧騒を極めました。
また、花柳街としても賑わいを見せ、弦楽の調べが絶えることのなかった町です。近代化とともにその面影はほとんど失われましたが、まだところどころに残り香を感じることができます。
そんな人形町の風情を味わうには夜の散歩も格別です。
人影も絶えた〔水天宮〕を起点にぶらぶらと親しい知人と一緒に歩いてみました。
路地にともる小料理屋の灯りや、どこからか漂ってくる芳香に興味を惹かれながらそぞろ歩きです。
今となっては珍しい居酒(角打ち)を楽しめる〔加島商店〕は貴重な存在です。今夜も多くの常連客で賑わっています。
この一帯には「日本橋七福神」の神社が点在していますが、夜になって小さなともしびを照らす風情もまたなかなかのものです。三の酉を控えた〔松島神社〕や、元葭原総鎮守の〔末廣神社〕などを経巡りながら、徐々に気持ちが高まっていきます。
葭町の雰囲気が残る路地で味わい深い和食文化に親しんだ後は、おしゃれなバーで名残を惜しむひとときです。
皆さんもぜひ、人形町界隈で大人の散歩をお楽しみください。