隅田川にかかる勝鬨橋。
昭和15年(1940)に完成した日本初の双葉跳開橋です。
かつては一日に5回開閉し、その下を大きな船が通航していました。
今では自動車の交通量も増え、昭和45年(1970)を最後に橋が開くことはなくなりました。
当時の最先端技術の粋をあつめて建設された勝鬨橋は、国内最大の可動支間を有する
技術的完成度の高い構造物として国の重要文化財に指定されています。
橋脚内には橋を開閉させていた当時のままの設備が保存されており、見学ツアーが
行われていましたが、橋の補修工事のため、2018年1月から2020年3月末までの
予定でツアーは一時中断となります。
そこで今回は11月にツアーに参加したときの様子をご紹介したいと思います。
はじめに かちどき 橋の資料館 に集合し、東京都建設防災ボランティア協会の方々の
ご案内で橋へと向かいました。
勝鬨橋は何度も渡ったことがありましたが、知っているようで知らなかったことを
たくさん教えていただきました。
橋が開くときに歩行者を止めていた信号機。
真ちゅう製の金色の鋲は歩行者用の停止線でした。
橋の中央部。ここから「ハ」の字型に開いていきました。
川に向かって縦に並んでいる信号機は船のためのもの。
この塔は運転室です。実際に開閉の操作をしていた場所からは橋を見渡すことができ
ました。橋には4つの塔があり、運転室のほかは宿直室、見張室、倉庫室として使わ
れていました。
運転室のあとは橋脚内にある機械室へ移動しました。
橋脚内へは安全ベルトを使って3.5mほどの梯子を垂直に降りていきます。
機械室に残されている跳開部の機械設備は、今年8月、日本機械学会により技術面で
歴史的に意義のある「機械遺産」に選ばれました。
運転室や機械室の見学の様子はこちらのページをご覧ください。
東京都建設局 「見学ツアー実施の様子」
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/jigyo/road/kanri/gaiyo/kachidoki/tour.html
東京都道路整備保全公社 「勝鬨橋アルバム」
http://www.tmpc.or.jp/06_info/kachidoki.html
勝鬨橋が開閉していた頃を知る世代ではありませんが、設備を間近に見ながら説明を
聞いていると、勝鬨橋が跳ね上がる姿が目に浮かぶようでした。
年内の橋脚内見学ツアーは満員となり、受付は終了しています。
しばらく見学することはできませんが、勝鬨橋に長生きしてもらうために必要な時間
とのことです。
勝鬨橋に興味を持った方はぜひ、かちどき 橋の資料館 へどうぞ。
この資料館は、橋を開くために橋脚にあるモーターまで電気を送っていた変電所を
改修して一般公開されたものです。
橋を動かしていた発電設備が保存・展示されているほか、開閉の様子を再現する模型
や映像、パネルなどの資料も充実しています。
中央区築地6-20-11
03-3543-5672
開館日 火曜・木曜・金曜・土曜(年末年始を除く)
開館時間 9時30分~16時30分(12月~2月は9時~16時)
入館無料