銀座中央通りのポーラ銀座ビル3階で「ケの美」展が2017年12月24日(日)まで開催されていました。
「ケ」はあまり聞きなれない言葉ですが、対照的な「ハレ」はよく使われる言葉です。晴れ着というように、祝い事や特別なイベントが「ハレ」です。対して、毎日繰り返されるごくあたりまえのことを「ケ」というのだそうです。
今回の展示は、その道で著名な14名の「ケの美」を集めたものでした。その方にとっての「ケの美」を象徴するモノと、ケの美に対する思いをつづった文章が展示されていました。
そのうちの1人、武者小路千家家元跡継 千宗屋さんの ケの美は、というと...
一般の人にとっては茶の湯はもはや「ハレ」のもの。朝から髪を結い、着物を着つけてのぞむような特別なイベントですが...。
一方、千宗屋さんは茶の湯の家の跡継ぎですので、茶の湯は日常=「ケ」の時間です。ところが、その一日の節目でお茶を入れる時間は、千宗屋さんにとっても特別なもの、「ケの中のハレ」とのことでした。その一瞬の美を象徴したものが、写真の茶筅です。
会場では写真撮影が自由でしたので、以下、その一部です。
14名それぞれの「ケの美」を拝見して、気づいたのですが、なるほど...と共感できるものばかりでした。
このとき私自身、ふと思い出したのが、京都観光で人気の「金閣寺」と「銀閣寺」です。きらびやかな金閣もいいですが、対照的な銀閣の佇まいや苔むす庭を見てもいいな、と感じます。(銀閣寺のほうが好き、という方も結構多いようです...。)「ケの美」に感じた共感や心地よさは、そういったものと少し似た感覚かも...と思いました。
さて、次回、ポーラミュージーアムアネックスでは、2018年1月19日(金)~ グレース・タン 「Materials & Methods」展が開催されます。夜は19時30分まで入場できますので、立ち寄ってはいかがでしょうか。
http://www.po-holdings.co.jp/m-annex/index.html
11時~20時 入場無料