『 紫匂う 西郊の森
夢さめやらぬ 緑ヶ岡の
霞にそびゆ わが白亜城
春光うららに 今さしそめて ・・
2018年、関東の三が日は、冬晴れの陽射しに恵まれました。
TVニュースは、富士から昇る朝日、青空を背景にそびえる冠雪の富士と、新春にふさわしい風景を映し出します。
日本橋交差点。
その北西の位置からだと、ゴールに向かい走ってくる選手を、はっきりととらえることができるのです。
第94回東京箱根間往復大学駅伝競走。
日本橋界隈での箱根駅伝10区応援は、孫たちが帰った後の恒例行事になっています。
ビル風は強く冷たいのですが、東京日本橋タワーの壁面、日本橋高島屋の上空から顔をのぞかせる太陽に照らされると、上着のファスナーを下したくなるほどです。
選手たちが走りすぎる予定時間には、まだ1時間以上もあるのですが、昂揚感はすでに高まっています。
たなびく各大学の幟旗。
各所で行われる応援パフォーマンス。
元気の良いおじさまが、「さあみんなでカレッジソングを歌いましょう。」とリードします。
歌えてしまうんですよね。
卒業から数十年が経っているのに。
私は体育会剣道部に入部したのですが、入部早々、「次の月曜日までに、カレッジソング、校歌、応援歌を覚えること」と上級生から指示を受けました。
当時はユーチューブもCDもない時期でしたから、2年生の歌を頭に叩き込み、学生手帳の音符を必死で追いました。
月曜日の稽古終了後、「1年!」との幹部の声を合図に、道場で一列に並び、表情をこわばらせながら歌ったものです。
グリークラブでも通用しそうな歌声?
交差点の交通整理がなされ、通過予告車が通ります。
パトカー、白バイの姿が見えると、風に髪をなびかせ先頭を行く選手が視野に入ってきます。
沿道の人々は選手の名前を連呼します。
「がんばれー。がんばれー。」
目の前を飛ぶように過ぎる選手。
みんなの思いを込めての力走です。
襷をつないだ9人分だけでなく、走ることのできなかった者の分までつなぎます。
当日の朝、エントリー変更で外れた選手もいます。
襷が途切れた繰り上げスタート。
熾烈なシード権争い。
「いま、ゴールしました。」
オオッ!
「大会新記録がでました。」
オオッ。 おめでとう!
10年前までは、出場することが夢。襷をつなげれば。シード権内に入ってくれれば・・。
新しい夢を叶える、強い選手が育っているんだね。
選手たちに負けないように、今年も頑張りたい。
新しいことに挑戦し続ける1年にしたい。
胸を張って、カレッジソングを歌おう。
常盤木の色 映ゆる
われらが母校 青山 』