37年ぶりとなる親子孫の三代同時襲名披露公演が2日から始まっています。発表されたのは1年以上前でマスコミ報道も多いので皆様よくご存知と思いますが、幸四郎さんが2代目白鸚、染五郎さんが十代目幸四郎、金太郎さんが八代目染五郎を襲名します。歌舞伎座前には積物、幕見のお客様の列、高麗屋さんの半纏を着たスタッフが行きかい、一歩中に入ると初芝居にふさわしく新年の飾り物があふれ、三代の襲名と初春歌舞伎が重なり、めでたさも弥増す感じです。
客席に入ると再度吃驚。襲名のご祝儀幕がまず目に入りましたが、ふと目をやると東西の1階桟敷席(計40席)は全席黒紋付の綺麗どころで一杯。スタッフの方に伺うと「東京五花街の総見」とのこと。壮観です。東京の五花街は現在、新橋・神楽坂・赤坂・向島・浅草だそうです。京都の南座の顔見世の折の花街の総見はよく知られていますが、東京で出会ったのは初めてです。本日一日だけだそうで、「今日のお客様はラッキーですよ」とスタッフの方に言われました。
幕間のロビーも一段と華やか、観客の方も晴れ着の方が多く、いかにも初春公演という印象です。お仕事柄写真は撮られ慣れていらっしゃるのか気持ちよくOKしていただきました。
さて、お芝居ですが、昼の部は「箱根権現誓仇討」、「七福神」「菅原伝授手習鑑」の「車引き」と「寺子屋」です。「箱根権現」と夜の部の「双蝶々曲輪日記」に出演予定だった猿之助さんは10月の「ワンピース」公演での怪我で代演、「寺子屋」の涎くり与太郎だけに出演して父親役の東蔵さんとの掛け合いで「腕はもう大丈夫なのか」と聞かれ「襲名公演に出るために必死でリハビリした」と答え大うけしていました。「七福神」が揃って踊るのは60年ぶりとのことです。「車引」の松王丸は新・幸四郎、「寺子屋」の松王丸は新・白鸚が演じます。
夜の部は「双蝶々曲輪日記」「口上」「勧進帳」「相生獅子」「三人形」です。
襲名公演は2ヶ月続き、今月は26日までです。
お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~18時)