緑少なく、寒さ厳しいこの季節に、浜離宮恩賜庭園の潮入りの池の畔、松の御茶屋近くで、凛として咲く、蜜蝋に似た光沢のある可憐な黄色い花「素心蠟梅」。
名前に「梅」がつきますが、中国原産のロウバイ科ロウバイ属の落葉低木で、本来は複数色の花色の「蠟梅」が単色になった園芸品種とされます。
暖かな日を浴び、透けて見える花弁の独特の質感。加えて、リナロール、ボルネオール、シネオールなどの精油成分由来とされる、仄かに甘くフルーティーで清々しい芳香。
開花し始めた早咲きの梅に比べても、その芳香は強くはっきりしており、その馥郁とした香りには安らぎを覚えます。
庭木としてだけでなく、生け花や茶花に用いたり、盆栽や鉢植えにも人気があるようです。
尚花木園では、「蠟梅」も開花中です。