元旦から日本橋界隈は、「日本橋七福神めぐり」をする沢山の人々で賑わいます。日本橋七福神である①小網神社 福禄寿・弁財天(福徳・金運・長寿・学芸成就) ②茶ノ木神社 布袋尊(除災) ③水天宮 弁財天(営業繁栄・利殖・学芸成就) ④松島神社 大国神(営業繁栄) ⑤末廣神社 毘沙門天(除災勝運) ⑥笠間稲荷神社 寿老神(長寿延命) ⑦椙森神社 恵比寿神(営業繁栄) ⑧寶田恵比壽神社 恵比寿神(営業繁栄) の八社を巡る人々は、七福神人気の年々の高まりとともに、確実に増え続けています。
①小網神社 | ②茶ノ木神社 |
③水天宮 | ④松島神社 |
⑤末廣神社 | ⑥笠間稲荷神社 |
⑦椙森神社 | ⑧寶田恵比壽神社 |
中央区立久松幼稚園は中央区立久松小学校(明治6年開校-2番校)校舎の中に、四宮千代寿を初代園長(小学校長兼務)として昭和16年4月1日に3組編成100名で開園されました。平成29年度は太田禎子16代園長・在園児数149名で開校145周年・開園75周年記念式典が平成29年10月21日に挙行されました。
地域は歴史と伝統のある日本橋の地にあり、主に呉服やこれに関係した小物などを扱う商業を正業にしてきました。このような地にあったからこそ、「お客様あっての商売」という浜町や柳橋に代表される「粋でいなせな」江戸文化を残しています。品がよくて育ちの良い礼儀作法、立ち振る舞いが大事にされています。
久松幼稚園には、毎年行われている伝統行事である「久松幼稚園獅子舞町内巡り」があります。今年は1月11日に行われたので、早速、取材させていただきました。久松町会長 佐藤 寛さんのご協力を得て、久松町会の地域のお店を、年長組の園児が手作りの獅子頭を被って2人一組で獅子舞踊りをしながら巡り、その後を年中組の園児が手拍子を打ちながら、1グループ25名ずつ、4つのグループに分かれて町内を巡り歩きます。園児たちは「久松幼稚園」の名が入った紺とエンジの半纏を着て、豆絞りを頭に巻いてのいでたちです。獅子舞は、悪魔を払い、世の中のことを祝う縁起物です。地域の人たちは、日本のお正月の伝統行事(民族芸能)である獅子舞を守りたい思いを抱きながら、園児たちの獅子舞町内巡りを毎年楽しみにして待っています。
口上「あけまして おめでとう ございます」「商売繁盛 トトントトン」「交通安全 トトントトン」「無病息災 トトントトン」「家内安全 トトントトン」「今年もよろしくお願いいたします トントントントントトントトン」と唱和します。小太鼓もこのリズムに合わせて、調子を合わせます。子どもたちのこの様子は何とも可愛らしく、微笑ましい光景です。
①-1 「千創」 まつ組・うめ組が伺いました。
①-2 「久松商事」 まつ組・うめ組が伺いました。
①ー3 「久松警察署」 まつ組・うめ組が伺いました。
②-1 「ビジョンKK」 たけ組・あんず組が伺いました。
②-2 「佐藤商事」 たけ組・あんず組が伺いました。
②-3 「久松幼稚園・小学校主事室」 たけ組・あんず組が伺いました。
③-1 「丸上」 まつ組・うめ組が伺いました。
③-2 「堀井株式会社」 まつ組・うめ組が伺いました。。
③-3 「久松区民館」 まつ組・うめ組が伺いました。。
④-1 「京商」 たけ組・あんず組が伺いました。
④-2 「秋山商店」 たけ組・あんず組が伺いました
④-3 「佐藤万」 たけ組・あんず組が伺いました
久松町会館にある「久松稲荷大明神」が久松町会を守ってくれています。
町内巡り後、久松幼稚園の遊戯室で待っている年少組-さくら組・ふじ組・もも組・ばら組の子どもたちに獅子舞を踊って見せました。年少組の子どもたちも大喜びです。我先に自分から進んで獅子に噛んでもらいに行っていました。
獅子舞の起源-インドから中国から日本に伝わったと言われています。ライオンを模した舞を踊るようになったのは、日本では16世紀の初め、室町時代の1338年~1573年頃に伊勢の国(三重県)で飢饉や疫病を追い払うため、お正月に獅子舞を舞ったのが始まりとされています。その後江戸へと伝わり、「江戸大神楽師(えどだいかぐらし)」「伊勢太神楽師(いせだいかぐらし)」という団体が全国を回り、悪魔祓いをしたことで全国に広がったそうです。
獅子舞の種類-「伎楽系(ぎがくけい) 2人以上で一匹の獅子を演じる」-久松幼稚園の獅子舞はこちらでした。「風流系(ふうりゅうけい) 1人で舞い、お腹に太鼓を括り付けて打ちながら踊る」
獅子が頭を噛む-人の頭を獅子舞が噛むことで、その人に付いた邪気を食べてくれる。悪魔祓いや疫病退治の意味があるため、悪いことから守ってくれ、ご利益があると考えられています。特に子どもの場合は、魔よけの効果が強くなり、学力向上や無病息災、健やかな成長にご利益があると言われています。初詣で獅子舞に頭を噛まれると、魔除けになり、一年中をよりよく過ごすことができると信じられています。語呂合わせで「獅子が噛みつくと神が付く」という縁起の良い意味もあるそうです。
久松幼稚園の教育活動-教育目標 たくましい子 進んでやる子 心豊かな子-
平成29年7月4日の久松小学校の教育委員会研究奨励校研究発表会で久松幼稚園も同時に公開保育をしました。その時の研究リーフレットの幼・小連携の研究成果をご紹介させていただきます。
多様な運動遊び | 小学校プールに入ろう | 小学生とゲームをしよう |
日本橋ならではの粋でいなせな日本の伝統文化を引き継ぐ「久松幼稚園獅子舞町内巡り」は、この地域一体となって伝統文化を守ろうとする取り組みはとても素晴らしいことです。園児たちの舞う獅子舞は、訪問した商店や会社の人々が温かく迎えてくださり、喜んでくださっている様子を見ると久松幼稚園だけがやっている地域行事なのですが、大変勿体ない気がします。もっといろいろな地域でも伝統文化を継承していってほしいですね。
(久松幼稚園と久松町会の許可を得て、撮影をさせていただいております)