新春の歌舞伎座は、高麗屋の親子孫三代同時襲名披露に沸いています。夜の部では、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎の口上に続き、歌舞伎一八番の「勧進帳」、 新・幸四郎が弁慶を、新・染五郎が義経を演じています。
新・染五郎は12歳の中学一年生、身のこなしも台詞もしっかりと、一言一言に心が込められて、追われる身の悲しさと弁慶に対する感謝が伝わってきました。新・幸四郎演じるお家芸の弁慶、命をかけて義経を守り抜こうとする姿に、安宅の関守の富樫ばかりでなく、観客も心を動かされます。
晴れ着の人も多く、ロビーも華やいだ雰囲気、江戸の空間に迷い込んだようなひと時でした。新・幸四郎さんは、歌舞伎を世界に広げたいとの夢を持って舞台に臨まれている、とのこと、庶民の娯楽の未来が明るく開けるようです。
歌舞伎座1月公演は、1月26日まで、2月公演も襲名披露があります。