本年4月に「国立映画アーカイブ」として近代美術館から独立し、6番目の国立美術館として開設されることが発表された京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで「発掘された映画たち2018」が1月30日から3月4日まで開催中です。気が付いたのが遅く見損ねたものが多くて残念なのですが、間に合ったのがこれ、「横田商会製作の【忠臣蔵】複数バージョン特集」です。「実録忠臣蔵」は1910~12年に撮影された各場面をまとめた全通しの忠臣蔵に後に音声を付加したもの、日本映画の父・牧野省三と最初の映画スターと呼ばれる尾上松之助コンビによるものです。(NFCのパンフより)
特別口演:巴うの子、声色弁士:生駒雷遊他3名。活弁士のしゃべりがアフレコのようにうまく役者のセリフになっています。オープニングの浪曲師の巴うの子の迫力は凄い。今回復元されたフィルムには以前のものには含まれていなかった場面も多いとか、もう一本も場面毎の構成は異なるものの「これをもとにして活弁トーキー版が作られたと思われる」(同パンフ)そうです。こちらは音声なしですが、同じ場面の長さが違ったり、前の版にはない場面があったりで両方見てわかることも多くて面白い。2本で125分、飽きないで楽しめました。椅子も商業館並みでこれで520円(学生・シニアは310円)はお得です。
フィルムセンターがある場所は日活本社ビルのあったところで昭和27年(1962)に国立近代美術館)フィルム・ライブラリーとして発足しました。この頃京橋には他に大映(京橋3-2)、東映(京橋2-8)と3社も映画会社の本社がありました。京橋に国立映画アーカイブが出来るのも必然ですね。
今後の企画についてはNFC HPをご覧ください
国立近代美術館フィルムセンター 京橋3-7-6
京橋駅出口1から1分、宝町駅 出口A4から1分 銀座一丁目駅出口7より5分