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食育研究家の板良敷信子先生と豊海幼稚園主催の家庭教育学習会をご紹介します‼

[桜やよい] 2018年2月28日 12:00

築地がある中央区には、日本全国の食材が集まってきています。食の中央区の食育教育は大切な教育活動の一つと言えます。中央区の幼児教育は幼稚園児だけでなく、保護者と共に食育教育を進めています。そこで、1月24日に開かれた中央区立豊海幼稚園の「家庭教育学習会」にお邪魔しました。講師は食育研究家「板良敷信子先生」でした。板良敷先生は、中央区では平成14年から中央区中央保健所での食育講演を皮切りに久松幼稚園・有馬幼稚園・日本橋幼稚園・月島幼稚園・月島第一幼稚園・晴海幼稚園・豊海幼稚園での講演をしていらっしゃいます。

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講演内容幼児期の望ましい食習慣について』

◎健康づくりはバランスの良い食事から「オリジナル食育教材(食事バランスガイド)でわが家の食事バランスを考えよう!

●ワン太君のお弁当ーパネルシアター

ー3色の栄養と働きを知り、バランスの良いお弁当の詰め方をするヒントー

●健ちゃんのお食事ーエプロンシアターと布パネル

ー家族が健康になるヒントを一週間の献立を例にお話しますー

◎お弁当作りのアドバイス子どもが喜ぶお弁当

ー初めてお弁当作りに不安になっておられる保護者の方もおられるのではないでしょうか?お弁当作り基礎がわかれば安心です。

●お弁当作りの基本-お弁当献立の割合は弁当箱を6等分して半分が主食。

残りを3等分して3分の1が主菜3分の2が副菜の割合で詰めるのが基本

●お弁当箱のサイズ(日本人の食事摂取基準)3~5才・85~110㎝・1食に必要なエネルギー量450Cal・お弁当のサイズ450mlー6~8才・117~128㎝・1食に必要なエネルギー量500~550Cal・お弁当のサイズ500ml

●お弁当箱のつめかたのコツ

・栄養のバランスを考えて!彩りを考慮すると自然にバランスもとれる・野菜をたっぷり入れましょう!お弁当を開けた時、彩りが綺麗だと美味しそうに感じます足りない色があったら?色のバランスは栄養バランスと同じです。

●漏れない・しみないコツ

・おひたしや煮物から出る水分は痛みの原因になるので汁気を切って詰める・茶こしに入れて絞ったり、鰹節やとろろ昆布やゴマなどまぶして余分な水分を出さない・アルミホイルやシリコンカップに入れる・果物は水分が多いので別の容器に入れる。

●冷めても美味しいがコツ

・肉は冷めると油が舌触りや味を悪くするので脂身の少ない所を選ぶ。炒める時に水溶き片栗粉を加えトロミをつけたり、卵とじなどにすると冷めた脂身が気にならなくなる・炒め物にバターを使うと寒い時は固まってしまうことがあるのでできるだけ、植物性の油を使用する・温かい料理も冷めると味が落ちるので(冷めると味が薄く感じる)ので味は濃いめにする。しかし全部を濃い味にするとリズム感が無くなるので飽きる。バランスを見ながら調整をする。

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●詰める順番のコツ

ご飯もおかずも冷ましてから入れることご飯はお弁当箱の半分に入れる・ばらつきやすいおかずはカップなどに入れる。

・プチトマトやブロッコリーなどで隙間を埋めて動かないようにする。・食中毒予防の為梅干しを入れたり市販の防菌シートを敷いたりする・パランはしきりにぴったり・彩りが綺麗に揃っているか確認する・同じ料理法のおかずがないか(焼く・炒める・煮る) ・ピックや旗は可愛くてしかも食べやすい。

●痛まないお弁当の詰め方のコツー・お弁当を作る前にはきれいに手を洗う ・おにぎりは直接手で握らずラップで握る。包んで持たせるならアルミホイルで・お弁当箱はよく乾かして詰める・料理は当日火を通す。・生物は入れない・ 夏場の高温多湿の時はマヨネーズの扱いに気を付けて! ・ご飯を炊く時米3合に酢小さじ1を入れて炊くと痛みにくい。生姜・からし・わさびは殺菌作用があるが幼児には不向き・ミニトマトはヘタを取って入れましょう・彩り用に使うハム・ソーセージ・蒲鉾にも火を通すまな板が1枚しかない場合肉や魚を切ったら野菜は反対側を使う。1枚そのまま使用する場合は切る順番を考える夏は生野菜サラダ・炊き込みご飯は痛みやすい・おかずを冷凍して保冷剤代わりに入れるのはNG。周りに食中毒菌が最も好む条件になる・保冷剤を使用するのもよいでしょう・異なるおかずが接すると痛みの原因になるのでアルミカップやシリコンカップに入れましょう。

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●子どもが喜ぶお弁当が一番

・お弁当に慣れるまで少なめに入れて「食べ切れた」という達成感を持たせる子どもの嫌いなものはすりおろしたり卵やひき肉などに混ぜて解らないようにすると食べてくれるかも知れません。嫌いなものを食べて帰ってきたら褒めてあげましょう!嫌いなものを食べさせようとしてお弁当に入れないようにしましょう!・おかす゜は食べやすいように、ご飯はおにぎりにしたり、おかずはピック刺しにしたりして食べやすいようにしましょう・同じ調理法のおかずは避けましょう。揚げたり、焼いたり、炒めたり調理法が重ならないようにしましょう・お箸を上手に持てない年齢の子はフォークで刺してもボロボロと壊れないようにしましょう。

「お弁当作りのヒントを!」ー3色の栄養と働きを知り、バランスの良いお弁当の詰め方をする。◎心を育てる食育ーパワーポイントでわかりやすく説明してくださいました。

●~食べた物で身体を育て食べ方で心を育てる~『幼児期の望ましい食習慣について』

心も身体も健やかに成長するためのアドバイス

●みんなで食べると美味しいね(共食)ー「バランス良く食べることは体を作り健康な生活の基本ですが、みんなで食べることも大切です」・楽しく食事ができます・コミュニケーションを図ることができます・食事のマナーが身に付きます・食に対する関心が深まります。

●子どもの食生活リズムの基礎を作るー・早起きをして地球1日24時間と体内時計リセット・朝食を食べると腸が刺激され、うんちが出たくなる・朝食を食べると脳が活発に動く・朝食を食べると元気になる。22時~2時「成長ホルモン5時から7時「元気ホルモンーセロトニン」朝食ー12時昼食ー18時から19時夕食ー起床が6時なら21時頃眠りに誘う「メラトニン」

●子どもの心にきざまれるご馳走ー「クリスマス」「行事食」「家族の記念日」「地域の行事」大人がいそいそと準備している特別な空気は子どもの期待感を育み、鮮明な体験として心に刻まれます。いつもと違うことがすでに子どもにとってご馳走になっているのです(食の記憶)

●大切な咀嚼「肥満防止ー満腹中枢が脳の食べ過ぎを防止する。「味覚の発達ーよく噛んで味わうと食べ物の味をよくわかる。 ー「言葉の発音がハッキリ口のまわりの筋肉を使う為、綺麗な発音ができる」ー「脳の発達ー子どもの知育を助け、高齢者は認知症予防」 ー「歯の病気を防ぐーよく噛むと咀嚼の働きにより、虫歯や歯周病を予防」ー「がんの予防ー咀嚼の酵素には発がん作用を消す働きがある」 ー「胃腸の働きの促進ー消化酵素が出て、消化を助ける」ー「全身の体力向上ー歯を食いしばることで力が湧き集中力がつく」

●遊び食べー食卓は食事や会話を楽しむところ。「遊ぶのはご馳走様をしてからね」とけじめをつけましょう。

まだ遊びたいーテレビは消してーまだお腹が空ていない・嫌いなものがあるーこれは何?好奇心旺盛で知りたがったら、適切に教えてあげましょう。

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●早く食べなさいと言っていませんか?ー美味しく食べるためにの助言は大切ですが、「早く食べなさい」と言われる通りにしようとして噛まずに丸飲みしたり、よく味わないで食べたりする。自分のペースで食べられるように見守ってあげましょう。早食いの子はよく噛んで食べましょう。

●好き嫌い野菜「古い野菜は苦味や臭みが強くなるので新鮮な野菜を使用する。嫌いだからと言ってすりおろしたりジュースに したりしても克服にならない。母親が食べる様に努力した経験があれば改善されることもある」魚「血合いや生臭さが苦手なようです。新鮮な魚を使い下味で臭みを抑えたり照り焼きやカレー味、ムニエルなど工夫する。臭みの強い青魚より白身魚からならす。食べにくいようならなれるまで骨を取ったりすり身にしたりして慣らしましょう」肉「肉の硬さや脂分の口当たりが要因。硬さはひき肉など硬い肉は繊維を切ったり塩麹などに付けると軟らかくなる。脂肪分が苦手なら取り除いて赤身の肉で!匂いが苦手ならケチャップ味やソースやカレー味で臭みを消して」  

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●入園前にこんなことできると良いねー・トイレが一人でできる・着替え一人でできる。が一人で履ける・時間内にお弁当が食べられる。・自分の名前がきちんと言える・困ったことがあった時説明ができる。

●こんな時は!「赤ちゃん返り」下の子が生まれ関心を引くために食べなくなることがありますが、気持ちが不安になるからなのです。そんな時は抱っこして食べさせてあげたりすると次第にきちんと食べる様になります。不安なとき、何かで気分を害した時などお腹が空いていても食べないことがあります。幼児期のこのような行動はわがままととらえないで気分にむらがある時期ととらえてあげてください。

 

板良敷信子先生の略歴をご紹介します。

食育指導士・ちば食育ボランティア・食育教材作家

平成26年度食育推進ボランティアとして、内閣府から受賞されました。得意の手芸を活かして全部手作りの教材を持参なさっています。全国からの講演の依頼を受けて、精力的に食育推進ボランティア活動をされています。保育所・幼稚園・小学校・児童館・養護教諭研修会等、対象は乳児から児童、教師まで幅が広いです。著書も発行されています。

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講演後、竹谷直史園長先生は「次年度新入園の方々を対象とした、食育講演会を開催しました。日々の食生活の形成、特に幼児期にふさわしい内容を正しく実践することも難しいと思います。ましてや、幼稚園ではお弁当を週5日作る訳ですから、悩みも多いですね。少しでも不安軽減につながれば、との思いのもと、講師の先生からは、栄養や食習慣の大切さ、お弁当作りのコツやポイント等を楽しく分かりやすくお教えいただきました。実際に取組むのは各ご家庭となりますが、それにあたっての事前知識や心構えがあるだけで随分と違うものですね。今回の内容が楽しい幼児期の食習慣作りにつながれば幸いです。」とおっしゃっていました。

 

幼稚園では、「食育」としてはお弁当の時間です。年長組は3月には修了式を迎えます。そこで、竹谷園長先生に招待されて生活グループ毎に園長室で゛「園長室レストラン」という1月15日から活動もされています。

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「園長室レストラン」の看板は当日に園長室前に出されます。園長室壁面には 「招待されたグループ」の写真が貼られていきます。

『園長室に子どもをお客さんとしてお招きし、楽しいひとときを過ごすといったものです。修了を控えた、年長さんたちが対象です。いつもとは違う雰囲気で、シチュエーションを変えて楽しい時間を過ごすことや修了を意識する時期の年長さんたち一人一人と会話を楽しむことを大切にしていきたいと思っています。ささやかですが、私から子どもたちへの「おもてなし」です。』

『園長室に装飾を施し、楽しい雰囲気となるようにもいたしました。これまでは違う雰囲気の園長室になりましたので、装いも新たにおしゃれな「森の中のキラキラカフェ」をイメージしましたがいかがでしょうか?生活の中で、ちょっとしたアクセントになれば嬉しく思っています。』と「園長室からこんにちは」から竹谷園長先生の熱い想いを記載しました。

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「園長室レストラン」への招待状が年長児に配られます。招待状をもらった園児たちは、その日が来るまでワクワクしながら、当日まで心待ちにしています。素晴らしい取り組みですね。

 

豊海幼稚園をご紹介します。平成28年9月1日に豊海小学校併設園舎として完成してました。とっても明るく豊かに海をイメージできる校舎・園舎が大海に浮かぶ船のように見えます。

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昭和55年開園、豊海小学校併設。平成29年度は37周年にあたります。東京都の公立幼稚園では、園児数244名(3歳児4学級、4歳児3学級、5歳児3学級10学級)は一番多い園児数とも言えます。竹谷園長先生は「豊海幼稚園は多くの園児で賑わいと活気があるところ、地域PTAとの温かいつながりが深いところ、都心にありながらも自然環境が豊かであること、船の汽笛が聞こえる雄大な環境があることなど、大きな特色や文化の形成につながる点が多くあります」

 

平成26年に豊海幼稚園が中央区教育委員会研究奨励園研究発表会を行った時の資料をご紹介いたします。

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このように研究発表をしない年も研究を毎年積み重ねていく理由を竹谷園長先生は『「教員は絶えず研究と修養に励み、その責務の遂行に努めなければならない」と法に定められていることもありますが、何よりも豊海の子どもたちに還元して教育内容の充実を図ることが大切だからです』とおっしゃっていました。

 

幼児期の食生活はその人の一生を左右すると言われているほど大切な時期です。大人になって生活習慣病にかかっても、幼児期に正しい食生活が身に付いていれば改善するという医学データーも発表されています。6歳までの食生活を形成していくには、2食を食する家庭との連携がうまくいかなければ成り立ちません。中央区の特色である食の文化が教育機関と家庭、地域を軸に今後もさらに充実していくことを願っています。

(板良敷先生や豊海幼稚園の許可を得て、ホームページや写真を記載させていただいております)