築地に住んでいると『銀座は庭』なので、気候が穏やかになると
晴海通りか、松屋通りか、マロニエ通りを歩いて向かうことが多い。
先日も、築地警察署からヤマト運輸本社前を過ぎ
ナチュラルローソンの辺りで、向かいにオープンしてから
ずっと気になっていたワインショップに立ち寄った。
わたしは、ひいお婆ちゃんと父から
酒飲みのDNAをしかと受け継いだために
「バッカス(酒の神)に愛された女」と自称するほど
生活のあらゆるシーンで、酒と薔薇の日々を堪能している。
ワイン資格も取得、ワインインポーターに勤務し、
旅行なら、酒蔵・カーヴ・蒸留所抜きに巡ることはまず無い。
その日も、神様からの粋な計らいが用意されていた。
ワインショップの運営責任者が
旧知の仲の、小林ソムリエではないですか!
耳元でベートーベンの「運命」が鳴り響く。(嗚呼、神様)
小林成好氏は
バーテンダー&ソムリエとして44年のキャリアを持つ重鎮。
「高卒でホテルに入社した時、
出来れば配属されたくないのがコックとバーテンダーだった。
うぶな若者にとって、酒と女が身近なバーテンダーは
なんとなくダークなイメージがあって嫌だった。」と振り返る。
1980年(昭和55年)開業のセンチュリーハイアット
(現:ハイアットリージェンシー東京)に永らく勤務。
「でも、いま想えば運命だったのでしょうね。
配属先にいい人がいて、周りの環境が良かった。恵まれて来ました。」
銀座 赤坂離宮のオープンに伴い、転職。
周富徳さんから赤坂璃宮を引き継いだ譚彦彬シェフが
2004年10月、銀座交詢ビルに
万感の思いをこめて開店したのが「赤坂璃宮 銀座店」
*シェフへの当時のインタビュー記事があったので抜粋*
「銀座ではワインにこだわりたい、と考えました。
それで小林ソムリエを招集したんですが、
大型ワインセラーを、2台も入れることになってしまってビックリ。
店に入ってすぐに目につきますからインパクトがあるでしょう。
でも、結果としてソムリエの知識や接客は
他のスタッフにも大変いい影響を与えましたから
とても良かったなと思っています。」
次にオファーされたのが
国内有数を誇る「酒類食品卸」日本酒類販売
インポーター直輸入ワインのリアル店舗運営。
2012年10月、直輸入商品のPR・広告宣伝を目的とした、
ショールーム兼ワインショップ<わいんの窓>オープン。
東京駅八重洲南口、徒歩1分の好立地な場所だったが、
2017年、再開発のため移転を余儀なくされる。
しかし、常連のお客様からの「遠くへ行かないで!」
「せめてタクシーでワンメーター以内の距離に!」
という熱望の声に、2017年9月、東銀座での再出発となった。
ショップのコンセプトを伺うと
●毎日、日替わりで、泡1種、白3種、赤3種、
グラスワイン(120m)の用意があるので、
ミニBarコーナーで味を確認してから安価で購入して頂けます。
●地域密着。
セラーでは、すぐ飲めるように、冷やして販売もしているので
働く人、住んでいる人、地元の人に
お家の延長のワインセラーとして、気楽に使って欲しい。
「上手く抜栓出来ないから、コルク抜いて!」だけでもOK。
●J.S.A.ソムリエ・J.S.A.ワインエキスパート呼称資格認定試験に
出題されそうなワイン品種のセット販売もあり。
また、非常に驚いたのが、
小林氏と再会したのが12ぶりぐらいにも関わらず
「最後にお会いしたのはデパートの催事で、
ヴーヴ・クリコをお飲みいただきましたよね」と
驚くべきお言葉。!
言われるまで綺麗さっぱり忘れていましたが、
確かに。。。そうでした。。。
記憶が鮮やかに甦ります。。。
恐るべしバーテンダーの記憶力。
小林氏の円熟に達した接客と、その人生経験の豊かさから
会話の糸が繋がって、ワインショップなのに、長居して
つい、人生相談までしちゃいそうになる、懐の深さ。
「ワインを購入する」以外の何かが必ず得られる場所です。
<わいんの窓>
所在地:〒104-0061
東京都中央区銀座3丁目14-1
電話番号:03-3541-6420
営業日 毎週火曜日~土曜日
定休日 日曜・月曜・祝祭日
営業時間 10:00~21:00