こんにちは。新人特派員のHanes(ハネス)です
26日(土)から国立映画アーカイブ(旧:東京国立近代美術館フィルムセンター)にて、
EU加盟国の選りすぐりの映画を上映するEU Film Days 2018が始まりました。
昨年6月、「善意の行方」(オランダ)と「検事、弁護人、父親、そして息子」(ブルガリア)を観に行ってから、次の開催をずっと楽しみにしていたのです!
以前は、「ハリー・ポッター」のような有名なフィクション映画を観ていましたが、
英国留学中にお世話になったホストマザーの影響で、
日本で大々的に公開はされないものの、制作国で高く評価された作品にも興味を持ち、
機会があれば観に行くようになりました
そんな私がこのイベント初日に選んだ映画は、「キッツ先生の子供たち」(オランダ/原題:De kinderen van juf Kiet)!
シリアから戦火を逃れてオランダにやってきた移民や難民の子供たちと
彼らを受け持つキッツ先生のありのままの日々を収めたドキュメンタリー映画で、
なんと日本初公開
子供たちそれぞれの成長や等身大の悩みがとらえられており、
子供ならではの天真爛漫さには、たびたび笑いが起こっていました
本映画は京都や広島の会場でも上映されるため、ネタバレを含む感想は控えますが、
監督であるペトラ・ラタスター・ジッシュ氏、ペーター・ラタスター氏をお迎えしたゲストトークより、撮影・制作の裏話を少しご紹介します
■キッツ先生との出会い
オランダでは、先生たちの低賃金が問題視されており、
監督のお二方は当初、先生の地位向上を訴えることのできる映画を制作したいと考えていたようです。
そこで、先生間のネットワークに面白い先生がいないか尋ねたことが、
キッツ先生との出会いにつながったそうです。
■子供たちとの関係づくり
撮影が9月1日の新学期初日から行われたため、監督のお二方もはじめは先生のように見られていたようですが、
子供たちは教室にいてもおかしくない存在として徐々に慣れ、
お二方を受け入れてくれるようになったそうです
■学校が撮影地
移民や難民の子供たちの中には、複雑な家庭事情を持つ子もいます。
しかし、本映画ではあくまでも学校で成長する子供たちの様子が中心となっています
これは、キッツ先生と初めて話した際に決まったことで、
先生ではなく、子供たちの想いを映画に残すことを優先してくださいともお話しになったそうです。
そのため、撮影は子供たちの目線の高さで行われました
EU28加盟国中25カ国の作品が上映されるEU Film Days 2018。
監督をはじめとする映画制作関係者のゲストトークが行われる回もあり、
ヨーロッパ映画に触れ、内容を掘り下げて理解する貴重な機会となっています。
これを機に映画でヨーロッパを旅してみてはいかがでしょうか?
■EU Film Days 2018
【東京】
期間:2018年5月26日(土)~6月21日(木)
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZU (2階)
【京都】
期間:2018年6月2日(土)~6月24日(日)
会場:京都府京都文化博物館
【広島】
期間:2018年7月1日(日)~7月13日(金)
会場:広島市映像文化ライブラリー
公式ウェブサイト:https://eufilmdays.jp/
【小話】
国立映画アーカイブになってから映画を観に行くのは初めてで、
チケットのデザインが変わったことに気づきました
※欧州連合代表部、オランダ大使館、国立映画アーカイブ(50音順)のご担当者様より
掲載の了承をいただいております。
監督のお二方のお写真は、ご本人より掲載許可をいただいております。