勝鬨橋は、隅田川に架かる、築地と勝どきを結ぶ橋です。「勝鬨の渡し」に代わる交通手段として1940年に完成しました。船の航行の妨げとならぬように中央部分が跳ね上がる構造で、「東洋一の可動橋」と呼ばれました。「勝鬨」の名前は、日露戦争における旅順陥落祝勝記念としてつけられたものです。航行する大型船舶がなくなったことや交通量の増大により、1970年を最後に開閉は停止されています。
この勝鬨橋に関する映画「勝鬨橋」を観てきました。この映画はいわゆる娯楽映画ではなく、記録映画です(企画:東京都、制作:公益社団法人土木学会・土木技術映像委員会)。橋の形式の比較検討の経緯、跳ね上がるメカニズムなどが詳細に解説されていました。この映画の元となった映像は、1940年に土木学会土木文化映画委員会が企画・制作した5分36秒の無声映画です。
最近は「インフラツーリズム」が脚光を浴びるようになってきました。私たちの身近にあって生活を支えているインフラについて、今回のような貴重な映像資料が残されていることは、もっと社会的に注目されてもいいのではと感じました。