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二つの「没後50年藤田嗣治展」―迎賓館とギャラリーためなが

[滅紫] 2018年8月16日 12:00

藤田嗣治没後50年に当たる本年、企画展が数か所で開催されていますが、その中で中央区関連のものを二つご案内いたします。

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一つは銀座7丁目のギャラリーためながで開催中の「没後50年藤田嗣治展」です。

ギャラリーためながは、日本で唯一の西洋絵画の名匠を扱う画廊として1969年にオープンしました。ビュッフェ、フジタ、オギスなどと親交を深め、当時日本ではほとんど知られていなかったモディリア-ニやシャガール、ユトリロなどのエコール・ド・パリの画家たちをいち早く日本に紹介したのも創業者の為永清司氏です。「今回は油彩及び線描の際立つデッサンなど名品の数々を揃え40余点の展覧」(HPより)

 

もうひとつは迎賓館赤坂離宮で開催中の「没後50年藤田嗣治天井画展」です。どうして「中央区関連」かといいますと、この天井画、銀座6丁目にあったコロンバン洋菓子店の二階の天井に飾られていたものだからです。早速行って見ました。

 

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迎賓館は紀州徳川家の中屋敷があった場所に建築家片山東熊により東宮御所として明治42年に建てられた日本における唯一のネオバロック様式の西洋風宮殿建築で明治以降の建築物としては初めての国宝に指定されているのは皆様よくご存知のことと思います。

コロンバンは大正13年に大森で創業しますが。昭和4年には銀座6丁目三角堂跡に店舗を開設。(野口孝一氏の「銀座カフェー興亡史」によればこの「三角堂」の場所がわからないそうです)その後銀座通り西側、銀座6丁目交詢社通り角に銀座コロンバン本店を開店します。コロンバン社のHPによれば「1階を近代風、2階を古代フランス風サロンとし、2階のサロンには昭和10年藤田嗣治画伯による天井壁画が制作される」とあります。その後昭和50年にこの天井画は迎賓館に寄贈されます。「創業者の門倉國輝氏は宮内庁の大膳寮員でお菓子の製作に携わっていた。」ご縁からと迎賓館ガイドの方の説明がありました。

日本で最初のショートケーキを作ったのも、昭和6年に日本で初めての「パリ祭」を銀座で開催したのもコロンバンとのこと。この寄贈された天井画6点が公開されているのです。

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コロンバン社HPより 

 

通常は玄関ホールと館長室に飾られているそうですが、首脳会談後の記者会見などTVでしか見たことのない豪華な部屋を見学しながら藤田の作品を眺めることができるのは贅沢な時間です。予約制なので混雑もせず、各フロアにガイドの方がいて丁寧に説明をしてくれます。作品は次の6点です。

「ブドウ畑の女性」「母と娘」「ポプラ並木の女性と楽士」「犬を抱く女性と楽士」「貴婦人と召使」「女性と天使」いずれも油彩・キャンバス。天井画なので「下から見上げることを想定して描かれている」と説明されていましたが、流石にその角度で眺めるのはチョッとですね。

 

○迎賓館赤坂離宮「没後50年藤田嗣治天井画展」8月2日―8月28日まで 水曜日休館

10時―17時 8月25,26日は夜間公開20時まで 入館料大人1500円 当日空きがあれば予約なしでも入れます。セキュリティーチェックがありますので時間に余裕をもってお出かけください。

○ギャラリーためなが「没後50年藤田嗣治展」7月20日―9月30日10時―19時、土日11時―17時