新富2丁目にある小さなお稲荷さん、新富稲荷神社です
新大橋通りと平成通りに挟まれた通り上、オフィス街の道路に面して、銀杏の木と朱色の鳥居が、そこだけ異空間であるかのように存在しています
今でこそ、「そこ」にあることに違和感がありますが、明治維新後においても、このあたり一帯は築地新島原遊郭があったそうで、遊郭の中にある神社だったようです
また、境内にある手水舎を見ると、手水鉢と屋根の扁額には奉納七世坂東三津五郎の名があり、歌舞伎役者の奉納は、このあたりが、芝居町であったことによるものでしょう
このお稲荷さんと坂東三津五郎の所縁は、明治期に浅草の猿楽町にあった守田座の座元で歌舞伎役者の十二代目守田勘彌が、当地に芝居小屋を移転し、地名をとって新富座としたのが始まりだそうで、その勘彌の子が、この七代目坂東三津五郎だそうです
ちなみに、手水鉢の家紋は、坂東三津五郎家の大和屋の家紋、「三ツ大」です。
この炎天下、お昼の散策は絶対にお勧めしませんが、夜になって、風も少しあったりすると、新富界隈の散策もよいかと思います(でも、やはり、暑い)