昨年銀座SIXに移った(戻った)観世流では毎月の定期能上演前に演じられる演目についての「講座」が開かれています。今回は12月定期能「乱」がテーマです。講師は松岡心平先生(東大教授)と宗家のお二人。「黒澤明の「乱」ではありません」(笑)」という松岡先生の解説のあと、宗家による実演があり、その後更にお二人の対談と約2時間半のプログラムです。今回は初めて「乱」を演じる宗家長男・三郎太さんも登場しご挨拶。17歳の初々しい将来の次期宗家に大拍手。今年の講座は今回が最後ですが、内田樹、渡辺保、林望さんなど専門を超えての鼎談も企画され毎回楽しい刺激を受けていました。他にも若手能役者の「荒磯能」の事前講座もあり、観世流が「能の魅力」を広く知ってもらいたいという意欲がひしひしと感じられます。おまけにこの講座「能楽講座」が1500円、「荒磯能」は500円という料金(能公演のチケット購入の方は無料)ですからお得感一杯。1,2回目は空席が目立ったこの会も回を追うごとに来場者が増え、今回はほぼ満席。来年以降の企画は未定とのことですが、何とか続けて頂きたいものだと熱望しています。能は長らく見ているのですが、最近漸く「能も面白い」と少し面白さの欠片が見えてきたところなので、年齢を重ねるということも有難いことだと感じています。何しろ宗家と松岡先生の掛け合い(失礼)はお二人の該博な知識に裏打ちされていて興味深くしかも話しぶりが洒脱でエンターテインメント性たっぷり。TV放映したいくらいです。来年も続きを見たい・聞きたいものです。
荒磯能の第六回事前講座は「胡蝶・春日龍神」で11月8日(木)18時~500円
荒磯能の公演は12月13日13時~ SS席4500円 共に銀座SIXの観世能楽堂
お問い合わせは03-6274-6579まで。