「仏師がアーティストになる瞬間」というキャッチに惹かれてやってきました、三井記念美術館。仏像好きの友人に誘われたのですが、入って吃驚。入り口付近にメモ帳を持った高校生~大学生くらいの年代の女性が一杯。「仏像女子」というのは数年前から増えているようですがこんなに大量の仏像女子に遭遇するのは初めてです。元仏像女子の友人曰く「私たちの頃は『仏像が好き』などと言うと変わった人だと思われたものだけど・・・」
この展覧会は「仏像の顔・装飾・動きとポーズを切り口に多様な表現による仏像を一堂に展示」(展覧会パンフ)したものでキャプションの下に「ここがみどころ・・・・」と学芸員のコメントが付けられていてとても面白い。友人は鎌倉時代の「弥勒菩薩立像」前で固まってしまいました。気に入ったようです。「個人蔵なので次はいつ会えるかわからないし」とのこと。私は四天王寺の「阿弥陀如来と両脇侍像」が気に入りました。何とこの両脇侍、観音菩薩と勢至菩薩、身体をちょっと捻って片足をあげているのです。まるで踊っているように。
しかもふくよかなお顔も体つきも東南アジアっぽい、バリの遺跡にあっても違和感がないような。毘沙門天像も数多く展示されていますが、それぞれポーズが様々で仏師による表現の多様さに驚かされます。最後の部屋は東京藝大の彫刻科学生による摸刻・修復作品で、こちらも凄い。
「こういう仏像の見方もあるのか」ととても刺激に富んだ展覧会です。
特別展「仏像の姿」は11月25日まで
10:00―17:00 一般1300円
三井記念美術館 日本橋室町2-1-1三井本館7階