明石町にある中央区保健所等複合施設の6階、中央区立郷土天文館「タイムドーム明石」で、「第19回特別展 東京150年記念 中央区の西洋医学事始」が開催されています
開催期間は、10月20日(土)から12月16日(日)までです。
時間は、火曜日から金曜日までが、午前10時から午後7時までで、
土曜日と日曜日が、午前10時から午後5時までとなります。
毎週月曜日は休館日です。
会場の展示物を見ていると、江戸、幕末、明治を通して、この中央区が、まさに西洋医学の拠点だったんだなあとつくづく感じさせられます
江戸時代、日本橋本石町三丁目(現在の日本橋室町四丁目)にはオランダ商館長の滞在する長崎屋があり、滞在中は同行した館医のもとに多くの人々が面会を求めて来訪して情報交換を行い、鎖国政策下の日本において、ここが西洋文明(西洋医学)との数少ない交流の場となっていました
下の写真は、日本橋室町四丁目にある長崎屋跡の説明板です
築地七丁目のあかつき公園には、商館長に同行して長崎屋に滞在したこともあるシーボルトの像があります
シーボルトと中央区の関係は、彼の娘であるイネが、産院を開いたのが築地であったというところにもあります
この特別展では、シーボルトやシーボルトの娘、楠本イネについても紹介しています
中央区には「解体新書の記念碑」もあり、これは、築地にあった中津藩中屋敷で、藩医であった前野良沢が「解体新書」を翻訳したことによるものです
また、江戸に参府したオランダ商館長一行と毎回対談していた者に、桂川甫周がいます
蘭方医桂川家は、初代が六代将軍徳川家宣に仕えて以来、代々幕府の奥医師をつとめていました
甫周は四代にあたり、屋敷跡が築地一丁目にあります
甫周は、杉田玄白や前野良沢らに蘭学を学び、若くして「解体新書」の翻訳事業に参加しました
幕末から明治にかけても、蘭学の隆盛と築地居留地への西洋医学の流入に伴い、中央区はまさに西洋医学の拠点だったのです
今回の特別展では、そんな「中央区の西洋医学事始」がよくわかる資料が数多く展示されています
10月27日(土)には、特別講演会が予定されています。
講師は、東洋大学教授 岩下哲典氏、
テーマは、「幕末・明治の洋学と築地 桂川家・福沢塾・岸田吟香」です。
時間は、午後1時30分から3時30分までです。
なお、会場での写真撮影、取材については、ご了解をいただきました
今年8月、同館で開催された「わくわく恐竜ランド」の紹介記事はこちら ⇒