慶長9年(1604年)、日本橋が五街道の起点となってから、様々な産業 や文化がこの街に誕生したことは言うまでもありません。 そしてこの日本橋から誕生した"日本橋生まれ"もたくさんあります。
(1)商品券 1830年<にんべん>
鰹節と引き換えるために銀製の薄板が発行されたのが商品券の発祥です。 にんべんの六代目が考案したもので、現在なら3,500円くらいの価値が ある銀製の薄板を徳川時代末期に発行されたとのこと。
(2)銀行 1873年<現 みずほ銀行>
初の銀行(第一国立銀行)が兜町で開業しました。 江戸時代に金融経済を統一する目的で、三井組と小野組を中核にした 初の国立銀行が日本橋に設立されました。渋沢栄一が総監役を務めたとのこと。 現在、ここには みずほ銀行兜町支店があり、「銀行発祥の地」の案内板が 設置されています。
(3)人力車 1870年
明治3年に人力車の営業許可を受けた和泉要助らが日本橋に初めて 人力車を走らせました。小回りが利き手軽だったために普及しました。 今では全国の観光地でよく見かけ、日本らしさを醸し出しています。
(4)郵便制度 1871年
郵便制度を確立したのは、"近代郵便の父"として知られる前島密です。 交通の利便性がある日本橋に駅逓司(後の郵政省)と郵便役所(現在 の東京中央郵便局)が置かれ、郵便事業が開始しました。 現在この地には「日本橋郵便局」があります。
(5)日本橋発祥の食べ物
・お子様ランチ 日本橋三越が1930年に『御子様洋食』として提供したもの。
・はやしライス 丸善の創始者・早矢仕有的が友人たちに振る舞った料理。
・天ざる&天もり 室町砂場が夏でも天ぷら蕎麦を美味しく食べるために、つけ麺状にした。
・親子丼 人形町の「玉ひで」が軍鶏鍋に残った割下を卵でとじ、ご飯とともに食べるお客を見て考案した。
・甘納豆 初代榮太樓が、金時豆を蜜で煮詰めたものを考案した。
・いなり寿司 人形町の志乃多寿司の初代店主が創意工夫をこらし、売り出した。
・味附海苔 明治天皇の京都行幸のお土産として、山本海苔店二代目が海苔に味をつけることを創案。現在では『おつまみ海苔』として販売している。