浜離宮恩賜庭園内の木々が色づく季節到来。殊に、季語ともなり「櫨紅葉(はぜもみじ)」と称されるハゼノキの紅葉が際立つ印象です。
ハゼノキはウルシ科の落葉小高木。
16~17世紀、大陸から琉球、薩摩を経て渡来したとされ、リュウキュウハゼ、サツマハゼ、また中国名黄櫨を音読みしコウロとも呼ばれます。
一説では、渡来以前、蝋燭の材料とした自生のヤマウルシ、ヤマハゼ両種の紅葉を、埴輪や土師器製作に適した粘土(ハニ)の色に見立て、古名を「ハジ(ハニシ)」といい、これから「ハゼ」「ハゼノキ」に転訛したとされます。
陽の光に透ける、枝先に集まってつく、羽状複葉の鮮紅色も見事ですが、潮入の池越しに燕の御茶屋、鷹の御茶屋を望む、八景山の足元に散在する「散り櫨紅葉」も、周囲の緑との対比も鮮やかで、風情があります。