1:29:300とは何か? 晴海でマンションの建設現場で見かけたパネルに表示していました。
1:29:300の法則とは、ハインリッヒの法則と呼ばれるものでした。
1:29:300の法則とは、労働災害における経験則のひとつで、1件の重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというものです。この法則を導き出したハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ(Herbert William Heinrich)(1886年~1962年)に由来して、ハインリッヒの法則とも呼ばれています。
アメリカの損害保険会社にて技術・調査部の副部長をしていたハインリッヒが1929年11月に、労働災害の発生確率を分析した結果を論文として発表したもので、1件の重大災害の裏には、29件のかすり傷程度の軽災害があり、その裏には300件もの「ヒヤリ・ハット」した(危うく大惨事になる)傷害のない災害が発生していたことを明らかにしました。
*私も生産現場で「ヒヤリ、ハット」する事象を分析して、労働災害を防止しようとしたISO活動を思い出しました。私は、一つの軽微な事象でも、見逃せば、沢山の事故に、大事故につながると思っています。風が強くなってきて、海の波が上がってくる。これは、嵐の予兆であったことも思い出しました。
企業の流通やサービス部門でも、この法則はビジネスにおける失敗発生率としても活用されているようです。
例えば1件の大失敗の裏には29件の顧客から寄せられたクレーム、苦情で明らかになった失敗があり、さらにその裏には、社員が「しまった」と思っているが外部の苦情がないため見逃している300件のケース、つまり認識された潜在的失敗が存在しているであろうとのことです。