1 はじめに
中央区では、区民の生活空間として重要な役割を果たしている道路に愛称をつけ、わかりやすく親しめるものとして、京橋地域に43路線、日本橋地域に45路線、月島地域に10路線の合計98路線が設定されていますが、今回は銀座地域の昭和通りの北側に絞って調べてみました。ちなみに中央区で、正式に道路に名称を付与するようになったのは、昭和63年からだそうです。その際昔から一般に慣用されている名称は、できるだけそのまま使用し、新たに「中央区道路愛称名設定要綱」を策定し、ガイドラインを定めました。現在の要綱は、平成14年に策定されています。愛称をつけようとする場合は、書類を添えて区長に提出し、選定委員会で協議され、区長が承認することになります。選定の基準としては、「広く一般に慣用されている名称は尊重する。」「文化財、著名な地域、坂、橋梁及び公共的施設等の名称で、それが一般にわかりやすく、親しみ深いものはできる限りこれにちなんだ名称を用いる」「企業名などの名称は、原則として用いない」等が定められています。
2 銀座地区道路愛称名マップ
地図は手書きになっており、見苦しいことと思いますが、ご容赦願います。
3 名称の由来
(1) 銀座コリドー通り:昭和31年に外濠を埋め立てて完成した高速道路下にある銀座コリドー街からとったもの。「コリドー」とはフランス語の回廊の意味で銀座の西側の回廊のようだから。
(2) 泰明通り:沿道にある泰明小学校を由来とし、「泰明小路」または「泰明通り」の命名希望が地元から出され「泰明通り」となった。
(3) 数寄屋通り:旧町名「数寄屋橋町」による。
(4) 花椿通り:資生堂が整備資金等を出資し、資生堂のシンボルマークの「花椿」を通り名とした。
(5) 交詢社通り:沿道に交詢社ビルがある。
(6) ソニー通り:沿道にソニービルがある。
(7) 並木通り:江戸初期の名主内山惣十郎が住んだ「惣十郎町」に西洋風の並木(プラタナス)を植えた。
(8) 見番通り:明治・大正・昭和の新橋花柳界の料亭、芸妓、置屋で構成される組合の事務所として「見番」がこの通りにあり、当時この周辺では中心的役割を果たしていた。
(9) 西五番街通り:ニューヨークで流行していた「五番街」に西銀座の「西」を加えた。
(10) 銀座レンガ通り:明治10年に出来た銀座の繁栄のもとになった銀座煉瓦街の親しみと暖かみのある煉瓦街の記憶を後世に残す。
(11) 御門通り:宝永7年東海道の廓門として新橋北詰につくられた「芝口御門」があった。
(12) 金春通り:江戸時代に能楽の金春流の屋敷があった。
(13) 銀座鈴らん通り:すずらんの花のように鈴なりで沢山の店が軒を連ねている様子から名付けられた。
(14) 銀座ガス燈通り:明治7年に東京で最初のガス燈がつけられた。「銀座ガス燈通り」の愛称は平成5年に設定された。
(15) 信樂(しがらき)通り:江戸時代の芝口御門で入口に面し、休憩所「信樂茶屋」があり、「信樂新道」(しがらきしんみち)と呼ばれていた。
(16) あづま通り:町会名「4丁目東町会」による。途中で表示がないのは、三越の私有地のためです。
(17) 銀座三原通り:昔は「三十間掘川」が流れ、三原橋という橋があった。
(18) みゆき通り:明治天皇が築地の海軍兵学校や水交社、海軍軍医学校などに行くのに通った。
(19) 銀座松屋通り:松屋デパートが整備資金を出資し名付けられた。
(20) 銀座マロニエ通り:通りにはパリをイメージさせる店や建物が銀座地域の中でも多く、パリの代表的なマロニエを通り名に入れた。現在もマロニエ(セイヨウトチノキ)が植えられている。
(21) 銀座柳通り:街路樹に柳の木が植えられている。
(22) 銀座桜通り:街路樹に桜が植えられている。
4 おわりに
愛称が付けられた通りの多くに、銀座花椿通り商店振興会、銀座みゆき通り美化会、銀座すずらん通り商店会等々の通り会があり、道路の清掃、年末年始のイルミネーション装飾の実施、イベントの開催等地域の活性化に努力されています。このような方々の地道な活動が銀座全体の賑わいのもとになっていることを心の片隅において銀ブラを楽しみたいと思います。。