突然ですが、長野県の諏訪エリアと聞くと皆さん何を想起されるでしょうか。諏訪湖、諏訪湖の花火、御神渡り、諏訪大社の御柱・・・
枚挙に暇がないところかもしれませんが、「うなぎ」も忘れてはいけませんね。
諏訪湖を源にしている天竜川は浜松までつながっています。浜松で生まれたうなぎの稚魚が、天竜川をのぼってきて、諏訪湖で育っていたことから、古くからうなぎの漁獲量が非常に多く、周辺には現在もうなぎ専門店が軒を連ねています。しかもこの辺りは、蒸し焼きの「関東風」と地焼きの「 関西風」の店が混在していて両方の味わいが楽しめます。
先日、年に一度のウナギ祭り(?)ということで、長野県の諏訪エリアに行ってまいりました。
(1周16キロの諏訪湖は、走るルートが見事に整備されていて、ランニングにも最適。走った後の温泉にも事欠きません。「食べて走って温泉」のパッケージが楽しめますね。信州は美味しいものだらけで困ります!)。
(1周のうちに様々な顔を見せる諏訪湖の風景。晴れた日には見事な富士山の姿も拝めます。)
さて、今回は、うなぎ「小林」さん(諏訪市)を訪れました。「天然ウナギが入った」とのことで、迷わずオーダー。ウナギの旬は夏ではなく、秋から春先というのは広まりつつあります。とはいえ、天然のウナギは12月に入ると入手時期も終了に近づくとのこと。
こちらのお店では、天然のウナギは、浜松等以外にも、東京湾のものも入るとのことで、ここで江戸前のウナギの話を聞けるとは思いませんでした。
(自分史上最大サイズのウナギ。そして絶品でした。写真では大きさが伝わりにくいのが残念)
このうなぎ「小林」さんは、"うなぎ100撰会"の会員でもあります。
(店舗でいただいた"うなぎ100撰会の会報"。阿川佐和子さんのエッセイやうなぎ資源保護の話など充実しています)
"うなぎ100撰会"、発行所は中央区日本橋室町(ここでやっと中央区登場)です。全国のお店を網羅している中においても中央区内の会員を見るに、
(順不同、敬称略)
・伊勢定
・いづもや
・大江戸
・喜代川
・高嶋家
・宮川本てん
・竹葉亭
・登三松(とみまつ)
・ひつまぶし名古屋備長 銀座店
・・・言わずと知れた名店揃いですね〜。
うなぎ100撰会の会報には、ウナギの資源保護に関するページも割かれています。
「大分県の大野川では50年前は一晩で3~4キロのシラスが捕れました。」(一晩で2万匹ほど捕れていたことになります)「今は捕れる時で100匹から千匹。これはもう減っているなんてレベルのものじゃない。かつての千分の一ですよ。」
私も以前はウナギを何度か飼育したことがあります。あまり知られていないかもしれませんが、他の魚に攻撃を仕掛ける獰猛さを持ち、スジエビや小魚、ミミズなどをバクバクと食べる大食漢です。そして水質変化、環境変化にもタフな魚だと思っています。
以前は、ウナギの数が減っているのは、公害などの水質悪化問題でしたが、いつしか資源量そのものの枯渇へと課題が変化してきています。
この食文化を絶やさないためにも、何ができるのか、手遅れになる前に何とかしたいところです。