「この役者さん成果披露公演から見ているのよ」と10年後、20年後にちょっと自慢してみたくありませんか?
歌舞伎座で稽古を続けている「こども歌舞伎スクール寺子屋」の生徒たちの初の成果披露公演が3月10日(松コース生徒)、24日(中学部門)に開催されます。今回そのお稽古を取材させていただきました。初の披露公演に向けて熱のこもった稽古風景を2回に分けてご紹介します。
「先代萩」の千松・鶴千代、「実盛物語」の太郎吉、「重の井子別れ」の三吉、そしてこのスクール名にもなっている「寺子屋」など歌舞伎には子役が重要な役割を果たす狂言・舞踊がたくさんあります。この子役で出演している子供たち、どんなお子さんたちかご存知ですか?ご担当の方に伺うと、「俳優の親類や部屋子だけではなく、こども歌舞伎スクール寺子屋の生徒や児童劇団所属の方、その他ご紹介の方等」だそうです。
「こども歌舞伎スクール寺子屋」は2014年に開校、和の行儀作法、歌舞伎独特の発声、所作、演技など歌舞伎子役に必要な技術を中心に基礎から教えています。募集は4歳から6歳までの「柿組」、小学1-4年生までの「萌葱組」で各約10名の「梅コース」。狭き門です。希望者は「竹コース」、「松コース」と進んで行き更に中学部門で本格的に学ぶこともできます。
1回目にご紹介するのは3月10日上演のー贋作桃太郎「百桃かたり」(ももももかたり)、演ずるのは小学2年生から5年生までの松コースのお子さんたちです。桃太郎が鬼を退治したあとのお話でこの披露公演のために新しく作られたオリジナル舞踊劇です。脚本が戸部和久、演出・振付・藤間勘十郎、作曲・杵屋巳太郎、作調・田中傳左衛門等という豪華版、何とも贅沢な披露公演です。
お稽古場に伺うとお子さんたち、見学の私にまでお扇子を前にきちんと正座でご挨拶!恐縮してしまいました。お稽古が始まりました。「また我こそは、桃太郎の忠臣たる毛並み揃いし犬の魁、奴の四郎平」「わん(腕)白盛りの犬の四郎平 自慢のわん(腕)力...」など遊び心たっぷりのセリフ・詞章に思わず、ふふふ。「奴」の発声を講師の指導に合わせて何度も練習。長いセリフも淀みなく、立ち廻りや見得もぴたりと決まり、堂に入ったものです。「明日でも本番OK」なくらい上手い!「松コース」の生徒の内、オーディションを受けて選ばれたお子さんたちと伺い、納得しました。出演者のなかには、既に本興行の舞台に立っているお子さんも多数いらっしゃるそうです。本番が楽しみです。
こども歌舞伎スクール寺子屋初成果披露公演「歌舞伎、たのしい!」
場所:歌舞伎座ギャラリー 木挽町ホール(歌舞伎座タワー5階)
入場料金:1,500円 全席自由席
「贋作桃太郎 百桃かたり」平成31年3月10日(日)12:30/15:00開演
お申込は「チケットWEB松竹」 1月31日12時より受付開始(チケットホン松竹での販売はありません。)
詳細はhttps://www.shochiku.co.jp/terakoya/news/stage/index.html