『ギフト、そして自分も楽しむ』をエスカレーションして取材します、rosemary sea です。
去る12月26日(水)から28日(金)の3日間、東日本橋の薬研堀不動院界隈で行われました毎年恒例の「やげん堀納めの歳の市・大出庫市」、ごく当たり前のように多くの人手で賑わいました。
江戸太神楽 丸一仙翁社中(えどだいかぐら まるいちせんおうしゃちゅう)、こちらで公演です。
今回は3部構成の、2回目です。
初日の26日は間に大護摩(おおごま)が焚かれるので、13時と17時の2回。
27日と28日は13時・15時・17時の3回公演、1回は45分ほど。
初日26日の初回の催しを取材させていただきました。
江戸太神楽 丸一仙翁社中、丸一仙翁・第13代家元にお世話になりました。
画像は「江戸太神楽」の幟(のぼり)を示す家元です。以下の『』は家元のお言葉です。
『(こちら薬研堀で演じるのは)もう15年、毎年です。』
それでは当日の演目のご紹介、後編です。
(家元、マイクを使っています。)
『まもなく薬研堀不動院、階段下におきまして、江戸太神楽の公演があります。
今日から3日間、歳の市ではたくさんのいろいろなものを販売しておりますので、どうかお買い物をしながら、400年の伝統を持つ江戸太神楽、お楽しみいただきましょう。』
左の笛は仙若さん、太鼓は花仙(かせん)さん、締太鼓左が仙吉さん、右が仙虎(せんこ)さん、一番右がマイクを持った家元です。
『恒例となりました江戸太神楽、江戸の祭り囃子から聞いていただきましょう。
まずは打込屋台と言いまして、段階的にたたく屋台囃子。
この祭り囃子、打込屋台、聖天(しょうでん)、鎌倉、四丁目(しちょうめ)、と続きまして、また上げ屋台と入っていきます。』
『祭り囃子は打込屋台から、静かな曲、聖天という曲目に変わります。・・・』
『お囃子は聖天から、もうひとつ静かな曲、鎌倉という曲目です。』
『鎌倉から、祭り囃子のテンポのある曲、四丁目に変わっていきます。
この四丁目という曲は、締太鼓(しめだいこ)同士でジョイントがあります。
ここからお互いの締太鼓、たたき方が変わっております。』
『お楽しみいただいております祭り囃子、いよいよ最後の曲、上げ屋台です。・・・』
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『はい、ありがとうございました。
歳の市、本日から始まりまして応援に駆けつけました、江戸太神楽。まずは祭り囃子を聞いていただきました。
今度は皆様の厄を落とすために、獅子舞を観ていただいて、今年の悪い運勢を全部捨てていただきましょう。
寿獅子舞(ことぶきししまい)が始まります。
三味線が入りまして、誰が何をやるか決めてませんので、誰が太鼓をたたくのか、誰が笛を吹くんだか、どうするんですか?』
(家元と、演者の方々との遣り取り、掛け合いが面白いです。)
(家元が指名されて)おじいさん、手が動かないんでやりません。もうちょっとお客さんが増えたらやります。(嘘です。本当は何でもできます。家元ですから。)
『・・・江戸時代は将軍様、大名屋敷しかやらなかった獅子舞、そしていまだに日本橋というところ、門付(かどづけ)をお正月はやっております。
その獅子舞をまず観ていただきましょう。・・・寿獅子舞です。』
(ここで仙虎さん、木頭【きがしら:拍子木の最初に打つ音】のたたきが弱く、もう一度「キン」とたたきます。ロズマリは、「演出」と受け取りました。仙虎さん、曲芸でも失敗をします。漫才で言う「ボケ」のようで、とてもお上手です。)
『へたくそ。ほんと笑っちゃう。・・・もう15年もいて、あれですよ。・・・』
『ご祝儀~三番~、よーいとなー。』
獅子は仙馬(せんま)さん、三味線は先ほど締太鼓をたたいていた仙吉さんです。
左から右にご覧ください。なお、画像は全てクリックして拡大できます。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『・・・ここで曲芸の方をちょっと観ていただきましょう。
日本にもすばらしい曲芸が残っております。その曲芸を今日は誰がやるのかな?3匹、あー3人でね。
・・・憶えていますか?20世紀の終わりに、この曲芸で家(うち)が2軒建ったかたがいるんですよ。
テレビの中で、「おめでとうございま~す、って。すごいでしょ、あの人たち、一番ギャラが高い時200万です。20分で、ええ。家も建ちますよね。でも安心してください。今日はね、薬研堀不動尊歳の市保存会さんからね、2000万もらってますからね。(嘘でーす、と仙虎さん)さあ行ってみよう、お馴染みの曲芸。どうして目出度いかっていうと、傘自体が末広がりで目出度い。そして傘の上でいろいろ回します。・・・まずは毬(まり)を回して、家庭が丸く収まります。・・・』
左から、仙馬さん、花仙さん、仙虎さんが並びます。
『じゃ、今日はお客様とコミュニケーション、どうするかっていうと、今回しました毬をお客様の手許に持っていきますので、その子の傘めがけて放ってください。そうするとうまくキャッチしますのでね。・・・せーの。』
『はい、ナイスコントロール。おめでとうございま~す。・・・』
『さあ、傘の上のキャッチボール。・・・』一人が傘の上の毬を放り、別の演者が傘でその毬を受けます。
『じゃもう1個(毬を)増やそうか。・・・じゃ、3個行ってみよう。(無理~、と演者)無理でもやる。(無理~)じゃ行きますよ、タイミング良く行きます。』
『はいできた。(できたー)(大成功ー)・・・はい、だんだん速く、まだまだ(無理~)無理じゃない。やめちゃったよ。はい、ありがとうございまーす。』
『はい、今度はね、輪。仙虎が回します。』
『はい、はな輪、まわす。』(「なんて日だ!」と仙虎さん)
『うまく回ると皆さんのご家庭、金回りがよくなります。はい、行ってみよう。』
『金回りが悪いのがやるとこういうふうになります。おー、珍しい、行きました。もういいよ、やめる?はい。続きを仙馬がやります。(仙虎さん、)15年もやってあれだけですからね。仙馬は6年目でこれだけできます。はい、行ってみよう。・・・』
『・・・横を向いて傘をつぼめていきますと、これが「月にさざなむ時雨傘(しぐれがさ)ー」お月さまにさざ波が立っているように見えたところで元に戻して輪を空中へ。よいしょ!ジャンプ!今日は天井がないので、一番高いの、挑戦してみようか。さあ、傘の周りをゆっくり回っております。ゆっくり回っている輪が途中で小さく1回転、小さく1回転、「唐草は"の"の字のかきわけー」。大回り小回りがうまくいったところで、輪がだんだん寝ていきます。まーだまだ寝ます。はい、これが松戸の競輪ー。』
『はい、だんだん起き上がって真ん中の黒いところにうまく入ると輪抜け、入らないと間抜け。今日は輪抜けか間抜けかー。よいしょ、大成功。うまい、さすが。』
・・・ご紹介は後編に続きます。
大本山川崎大師東京別院 薬研堀不動院
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江戸太神楽 丸一仙翁社中
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