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両国橋から「隅田川花火大会」を

[小江戸板橋] 2012年7月31日 08:30

7月28日、東京の真夏の夜空を彩る「隅田川花火大会」が開催されました。

今年はスカイツリーの「天望デッキ」から見下ろす鑑賞の仕方も加わりました。

観覧席から、レストランの窓越しから、ビルの屋上から、川面に陣取る屋形船から、

チャーターしたヘリから、交通規制された道路上にシートを敷いての楽しみ方もできます。

今年はぜひ見てみたい場所がありました。

「両国橋の上から、花火を見てみたい。」

 

隅田川の花火大会は、徳川吉宗公の時代、大飢饉と疫病の慰霊を祈願して、両国の川開きに花火を催したのが始まりとされています。

「鍵屋」、「玉屋」の掛け声がかかり、見物人であふれ返る「両国橋」。

数々の浮世絵に描かれてきたにぎわいは、平成の現代にあって、どう見えるのでしょうか。

 

JR総武線「両国駅」から歩いてみました。

国技館前の通りも、交通規制がされており、安心して空を見上げながら、うちわを使うことができました。

両国橋の上は、片側通行・立ち止まり禁止です。

花火の音が響いてきます。

川の上流に、打ち上げ後の煙がただよい、火薬の匂いが伝わってきます。

期待感、気分が盛り上がってくる瞬間です。

見えた。

思った以上に、重なり合う色と、球形や飛び散る光の流れが大きく見えました。

スカイツリーが、花火とコラボするように、色を変化させながら、存在感を示しています。

浮世絵から抜け出たような、提灯を飾った屋形船は、時代を超えた一級のお大尽遊びです。

 

立ち止まり禁止というものの、競い合う花火の一瞬に、携帯を向ける人の足が止まります。

誘導の交通整理員や警察官の方々の声も高くなります。

酒焼けしたオッチャンが、やたら誘導の方とコミュニケーションを取りたがっていました。

「無粋だ」などと言いなさんな。

都市には、都市ならではの楽しみ方というものがあるのです。

 

中央区と墨田区両国をむすぶ両国橋。

江戸時代、武蔵と下総の二国をつなぐ、陸上交通の要所でした。

橋詰の広小路は、江戸有数の繁華街だったと言います。

先日、テレビの歴史案内番組で、江戸城を囲む防御の要である大川(隅田川)に、両国橋がかけられたのは、徳川幕府が安定期をむかえ、文治政治へと転換していく象徴的な事だと言っていました。

 

両国橋の私の一押しは、総武線の鉄橋が、花火の光を受けて半円型に浮かび上がるところです

列車が通過するシーンは、「撮り鉄」でなくとも、シャッターを切りたくなります。

 

ビルの谷間を、打ち上げ会場方向に歩きます。

建物の角が、鋭角に花火を切り取ります。

建物に反響する花火の音は、都市ならではの余韻を生み出していました。

 

 

 

 

 

 
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