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「師走の銀座、金春湯のぬくもり」

[小江戸板橋] 2015年12月29日 12:00

銭湯に行ってきました。

冬至にゆず湯に浸かり、その状況をブログにアップしたいともくろんでいたのですが、

今年の冬至(22日)は平日で、思うに任せませんでした。

定休日が日曜・祭日なので、26日の土曜日に計画を実行。

中央区には11軒の銭湯が営業しています。

商業施設、オフイスビル、マンションが立ち並ぶ中央区の景観イメージからは遠いのですが、

想像以上に銭湯文化が残っていることに驚かされます。

その中から、「金春湯(こんぱるゆ)」を目指しました。

華の銀座にあること。創業が1863年(文久3年)、江戸時代から続いていること。

これが選びの決め手でした。

中央区銀座8-7-5。

JR新橋駅から、トートバックにタオル・洗顔用品を入れてぶらぶらと5分ほど。

博品館の面する中央通りから、一筋皇居寄りが金春通り。

通りの入り口付近に、名前の由来にもなった、「金春屋敷跡」の案内板があります。

更に、関東大震災で失われた煉瓦街の歴史を伝える、「銀座金春通り煉瓦遺構の碑」が

立てられています。

ここは、毎年8月7日に行われる路上能、「能楽金春祭り」の舞台となるところ。

話題の高級寿司店も軒を連ねる風情ある通りです。

「金春湯」の看板と大きなのれんが掛かっているので、迷わずたどり着けるでしょう。

下駄箱に靴をしまい、木製の下足札を取り出します。

壁に「平成27年度、衛生優良施設受賞店」の賞状が掲げてあります。

中央区環境衛生協会と保健所の連名。こういう事って大切な事ですよね。

男湯の標示を確認して中に入ります。

番台がありました。向う側は見えません。

大人(12歳以上)460円を払います。小学生180円。未就学児は80円。

脱衣所は天井が高く、格天井のしつらえ、大きな扇風機。

これだけでも異空間の趣です。

ロッカーは大型で、場所柄からかスーツやトレーニング用品なども収納できそう。

正面の扉を開けると、堂々とした赤富士のぺンキ絵が目に飛び込んできます。

やっぱり、銭湯と言えば、広く裾を引く富士のお山です。

髙い間仕切りの上に、お隣のペンキ絵も見えるのですが、こちらは、

海と松林を抱き、雲をたなびかせる晴れた空を背景にした富士山。

二つの異なる秀麗が楽しめます。

絵には、ナカジマとサインが書き込まれており、銭湯絵師の中島盛夫さんの

作品であることが分かります。

洗い場にはカランが16個、固定式のシャワーも16個。

こじんまりとしていますが、白を基調とした色合いで清潔感を際立たせています。

そして、紅白の鯉のタイル絵。

多くのお客さま、早く来い。恋の街、銀座。いろんな言葉が掛けられているのでしょう。

銭湯には、それぞれ受け継がれてきた利用者の流儀、暗黙の決まり事があるものです。

ここでは、各自が重ねてある桶とイスを持って洗い場で使用し、脱衣所に戻るときに

また重ねておくようです。

常に洗い場が整理され、広く使うための気配りなのでしょう。

黄色のプラスチックの桶は、ずいぶん丈夫な作りです。

底の部分に赤色で「モモテツ」。数十年前は、「ケロリン」が主流でしたよね。

あのゲームのHUDSONの広告桶でした。

リンスインシャンプーとボディソープが備え付けてありましたから、タオル1本持参で

訪れても大丈夫なようです。(タオルの販売もあります。)

さて、ロッカーの鍵は、どうするのが正解でしょうか。

右手首に掛けておくと、髪を洗う時に、カチャカチャ音がします。

足首に付けようかなと、それとなく周りに目を向けると、左手首に掛けるスタイルが

最も多いようです。

土曜日の16時30分という比較的空いている時間帯。

43.3℃の湯船に、ゆったりと浸かって、極楽気分。

ドライヤーは有料で、3分間20円でした。

本当にスーツ姿で店を出る人が数人いました。

そして締めくくりは、瓶入りの牛乳、またはコーヒー牛乳、もしくはフルーツ牛乳。

無い。取り扱っていませんでした。

入り口通路に飲料の自動販売機が並んでいます。

そこで購入して喉を潤し、縁台で汗の引きを待ちます。

隣に腰かけていたご婦人。風呂上りは、拓郎の「旅の宿」っぽくって良い感じです。

「年末年始営業のお知らせ」が、掲示されていました。

「12月31日(木)          14時~20時

  1月 1日(祝)      朝湯  9時~12時

  1月 2日(土) ~4日(月) お休み致します

  1月 5日(火) より平常営業いたします」

  (平常営業時間は、14時~22時です。)

正月は、初詣帰りに銭湯で「朝湯」というのも、素敵な年初めの行事になるかもしれません。

 

 
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