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2014年1月20日 09:00
<ロウバイ> <ソシンロウバイ>
厳寒の浜離宮恩賜庭園。冬枯れの花木園の一角に凛として咲く「蝋梅(ロウバイ)」の静謐で穏やかな芳香が漂っている。
ロウバイは中国原産の落葉低木。
名前に梅(バラ科サクラ属)がつくが、ロウバイ科ロウバイ属で別科の木本。
1~2月、地表から分枝して株状になり、初春のまだ寒さ厳しい頃、他の花に先立って、黄色の蜜蝋を連想させる光沢のある可憐な花をつける。
ロウバイの花には多数の花被片(花弁と萼が形状的に類似している場合の総称)があり、外側の花被片は大形で黄色、内側の花被片は小形で暗紫色で、上品で薄甘い香り。
一方潮入の池の畔には「素心蝋梅(ソシンロウバイ)」。
こちらは外側の花被片も内側の花被片も同じ鮮やかな黄色で、香りも強い。
甘くフルーティで微かに石鹸のような清潔感のある香りで、ニホンスイセンの香りとも似る。
リナロール・ボルネオール・シネオールなどの精油成分由来とされる。
同じく早春の花「ウメ」よりその芳香は強くはっきりしている。
俯き加減に咲き、和の趣があり、茶花としても使われる。
その馥郁とした香りには "やすらぎ" を覚える。
✎ 属の異なる種に「クロバナロウバイ」があるが、こちらは北アメリカ原産。
4~6月頃に咲き、花はチョコレート色で、花弁は反り返らずシックな形状。
その姿・花色・花期も、「ロウバイ」とは全く異なる。
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2014年1月11日 09:00
<セグロカモメ成鳥> <セグロカモメ幼鳥>
亀島川は、日本橋川から分流し、日本橋水門を経て亀島橋を過ぎたあたりで南東に流れを変え、亀島川水門を経て隅田川に合流する。
約1kmの流れに、霊岸橋・新亀島橋・亀島橋・高橋・南高橋の5つの橋が架かる。
その高橋~南高橋付近の河岸に「セグロカモメ」が佇んでいる。
チドリ目カモメ科の冬鳥で、大型のカモメ類。
カモメ類は、大きさが手頃で見やすく、また飛んでいない時は、じっと休んで羽繕いをしたりしているので、じっくり観察しやすい。
またカモメ類は異種と混じって群れていることも多く、傍らに「ユリカモメ」の一群。
幼鳥の羽は褐色(幼羽)。
成鳥羽になるまで4年ほどかかると云われている。
「羽繕い」「採餌」「休眠」「叫呼」等々いろいろな "しぐさ" を見せてくれる。
✎カモメ類の見分け方は難しいとされるが、隅田川河口域でよく見られるカモメ類3種の識別は比較的容易。
<セグロカモメ> (カラスより)大型。脚は淡赤。嘴は黄色で下嘴先端に赤い斑。
<ウミネコ> (カラス大の)中型。脚は黄色。嘴は黄色で先端は赤黒の斑。
<ユリカモメ> (カラスより小さい)小型。脚は赤。嘴は赤で先端は黒。
<セグロカモメ> <ウミネコ> <ユリカモメ>
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2014年1月 5日 10:08
<ゴイサギ成鳥> <ゴイサギ幼鳥>
新春の佃公園。
厳寒の折ではあるが、冬枯れの木々の間を飛び交う野鳥の姿は見つけやすく、
バードウォッチングには好都合な季節。
今回の観察対象は「ゴイサギ」。
カラス大のコウノトリ目サギ科の鳥で、「留鳥」もしくは「漂鳥」とされる。
成鳥は、上面が濃い藍灰色、下面は白色、翼は灰色、虹彩は赤。
幼鳥は、上面が灰褐色で白斑が入り、星のように見えることから別名「ホシゴイ」とも。下面は濁白色、虹彩は黄色。
成鳥の色彩になるまで3年ほどかかると聞く。
普段は首を縮め背をまるめ、ずんぐりして見える。
夜行性で昼間は樹上あるいは繁みで体を休め、夜間水辺を徘徊しながら獲物を捕食すると云われる。
昼間は少ない動きながら、時折、様々な表情やしぐさを見せてくれる。
-----成鳥-----
<面貌> <前屈肩竦め> <片脚立ち休眠>
-----幼鳥-----
<面貌> <羽繕い> <片脚立ち休眠>