中央区観光協会オフィシャルブログ

中央区観光協会特派員ブログ

中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

執筆者一覧

>>このブログについて

最近のブログ記事

浜離宮庭園の英語案内~外国客人への半日観光おもてなし検討(2)

[あうん(阿吽)] 2011年5月17日 09:30

hamarikyuucontrast20110514.jpg海外からのビジネス客を想定対象として,充分な観光日程を確保しづらい彼らに『限られた短時間で「日本らしさ」を楽しんで貰える中央区』を追求したいと思います。

今回,浜離宮庭園を紹介するホームページに『外国の方を対象に、英語による庭園ガイド(無料)を行っております。土曜日/日曜日:午前11時』とあるのを見つけ,快晴5月14日(土)に事前許可を得ずに押しかけ同行をお願いしました。ボランティアガイドが客を案内散策する現場に私がお邪魔するという訳です。この日の当番ボランティアガイドはT氏。綺麗な発音の英語を流暢に話すT氏は,物流関係の会社で監査役を務められる,海外在住経験のある現役のビジネスパーソンの由です。50歳代とお見受けしましたが,その英会話力だけでなく,紳士然とした格好良い見目姿にも私は嫉妬させられました。

さて本番,私がT氏に同行許可を貰い終えた直後に来場した外国人男性4人組にT氏が"Good morning."と声をかけるや,先頭の相手が"No!"と言い捨てて通り過ぎました。T氏が私に解説するに『あれは私のことを礼金目当てと誤解しているのだ。発展途上国で特にありがちだけど,観光地には親切を装ってガイドをしたあげく,後からチップを要求する輩も居る。その類だと自分が間違われても,カッとしてはいけない。』   私は相づちを打ちながらも「T氏は"GUIDE FREE"と大書したプラカードを胸に下げるべきだ」と一旦は思い,「でも,これ見よがしな無料訴求がかえって怪しまれるかも」と思い直しました。

T氏は,次に来場した30歳代前半と覚しき男性にマンツーマンガイドを開始。彼は11時45分発の浅草行き水上バスに乗りたい由なので,「三百年の松」から「延遼館跡」,さらに「潮入の池」方向へとテンポ良く説明付き散策を進めますが,行程説明は割愛します。客人が語るに,2度目の来日で初回の昨秋は奥様と二人連れだった由,今回はビジネス目的で,水曜日に東京へ着き,明日の月曜日には香港へ飛び立つ由。外資系金融会社所属の由で,出張旅行中の息抜き観光という趣です。
庭園内の東屋にてT氏が指さす枡形城郭の復元模型の説明に聞き入る客人を見ながら,この復元模型のように過去の情景を視覚化して,今ここにある風景と対比しやすくする便宜・配慮は効果的だなと思いました。江戸時代の鷹狩りや明治時代の鴨猟などのCG動画を無線LANで飛ばして,客人は持ち歩くスマートホンやスマートパッドの画面の動画を見ながら鴨場にたたずむ,という時代が何年後かに来そうです。客人は庭園越しの高層建築に感じ入った風で,写真を撮っていました。伝統的な和風景と現代の対比が面白い様でした。金沢・兼六園,岡山・後楽園や島根県の足立美術館の庭園でも見られない,浜離宮庭園の売りなのかも知れません。
hamarikyuuvendingmachine20110514.jpg

水上バス乗り場の浅草方面行きの切符券売機,画面操作の最初に右上の"ENGLISH"ボタンを押すと,以後は英語表示に従って切符を買えます。既知の方にとっては当たり前でしょうが,私は感心しました。


 

 

外国客人への半日観光おもてなし検討(1)

[あうん(阿吽)] 2011年4月19日 09:00

外国から中央区を訪れる場合,ビジネスが主目的の方も多いと思います。世界の都会で似かよいがちな現代風景ならば見慣れているビジネスパーソン,多忙なはずの彼らに,限られた短時間で「日本らしさ」を楽しんで貰うことが私の狙いであります。
もし台東区を案内するならば合羽橋の道具屋街から浅草六区・浅草寺・仲見世・雷門へ,さらに地下鉄移動で浅草橋の日本人形店へ,と案内箇所を思い浮かべるのですが,さて中央区ならば?
改めて地図を見返し,日本庭園と魚食文化と伝統芸能と日本仏教が近い場所に在るのだな,と思います。固有名詞で具体的に説明すると,浜離宮庭園と築地場外市場と(閉場中ですが)歌舞伎座と,そして築地本願寺を組み合わせて案内してみようかな。
2013年春に歌舞伎座が新開場(きっと見学コースも備えてくれるよね!)する頃には,地震と放射能懸念に起因する日本来訪敬遠気運も薄れているのでは,と期待しています。

上述をふまえて,4月15日(金)に築地本願寺へ行ってみました。9月末まで本堂工事中ですが,参拝は朝9時から夕5時まで毎日可能です。古代インド様式の石造りの外観だけでも感動できますが,(客人側に宗教上等の制約が無ければ)参拝することで,より非日常感を味わっていただけるでしょう。また日本のお墓も彼らの異国情緒を刺激するはずで,忠臣蔵を知る歌舞伎ファンの客人なら,ハラキリで最期を遂げた四十七士の一人,間新六のお墓に抱きついた記念写真を欲するかもしれません。でも並んで写真を撮るなら,土生玄碩の墓碑(上の写真)の方が写り映えがすると思います。(こう言う私は不謹慎でしょうか)

habugensekinobohi.jpg taiwanbukkoshanorei.jpg

他にも石造りの碑が境内に在る中で,「台湾物故者の霊」と銘打たれた,広い曲面台座上の球体が現代美術風で異彩を放っています(下の写真)。碑の裏側に回って由来を読むと,当初は『台湾各地に散在する日本人(中略)一万三千余人の遺骨が納められた』のですが,その後,『戦後故国(※台湾)へ引き揚げて亡くなった方あるいは台湾縁故者で戦前故国へ帰還して亡くなった方の遺骨も(※分骨して)昭和六十年九月以降ここに納めることにした』とあります。ので,台湾からの客人にはご案内したい碑です。但し,台湾語とまでは言わずとも,せめて中国語の説明看板があると良いのにな,と思います。

 

 
1