[滅紫]
2012年10月16日 14:00
「七世松本幸四郎 追遠」と銘打った10月演舞場公演は「勧進帳」の弁慶と富樫を七世の孫にあたる当代の団十郎さんと幸四郎さんが昼夜交替で勤めるのが話題。記録を調べてみると、1965年2月~4月に行われた「7代目幸四郎17回忌」は東京宝塚劇場、歌舞伎座、大阪新歌舞伎座と3ヶ月連続の大興行で当代の父親である七代目の3人の息子、11代目団十郎、8代目幸四郎、初代松緑が日替わりで弁慶、富樫を演じるという空前絶後の公演で女形が演じる義経も延若、雀右衛門、福助がやはり日替わりで演じ、3月の歌舞伎座公演前には日にちによる配役表が張り出され観客はそれを見ながらどの日にするのか悩んだという。ファンにとっては本当に嬉しい悩みだったことだろうと今読んでもわくわくする。
私が観たのは幸四郎さんが弁慶、団十郎さんが富樫、藤十郎さんが義経を演じる夜の部。太刀持ちの金太郎くんが可愛い。これで予定であれば染五郎さんが出ていたので孫、ひ孫、玄孫と揃ってさぞかし七代目も喜んだことだったでしょう。七代目は弁慶を生涯で1600回以上演じたとのこと、当代の幸四郎さんも既に1048回(本公演前)。余裕の弁慶でした。うっかりして最前列をとってしまったので花道で六方を踏む弁慶の後ろ姿を見ることになってしまいましたが。それにしても藤十郎さんはお若い。「本当に80歳?」と隣席の方と同時に口に出してしまいました。
来年4月開場の新歌舞伎座上演演目希望のアンケート募集中です。抽選で「開場式」の入場券が当たるそうなので応募してみようと思っています。ご興味のおアリの方は松竹HPをご参照ください。
夜の部のもう1幕は「御所の五郎蔵」です。今回は仮花道がないので上手と花道を使っての五郎蔵と土右衛門の出になるのと、めったに上演されない「五郎蔵内腹切」が出ます。平成15年以来です。
心中する2人が尺八と胡弓を弾きながら息絶えるーというちょっと無理と思われる設定ですが黙阿弥が小団次の「役者が困るようなものを」との依頼で書いたものとのこと。結果の気になる方は劇場へ。昼の部は「国性爺合戦」です。
お問い合わせ:チケットホン松竹0570-000-489(10:00~18::00)25日千秋楽
[滅紫]
2012年10月14日 08:30
秋風に誘われ3足遅れの夏休み(秋休み)を過ごしに機上に。予算の関係上エコノミークラスだし、正直機内食には殆ど期待をしていませんでした。ところが、到着前のセカンドミールが何と!!
「たいめいけん」さんのあの「たんぽぽオムライス」。「東京 日本橋 三代目AIRたいめいけん」と書かれた機内用の可愛いパッケージがトレイに乗って現れたのを見た時のサプライズといったら。・・・・それぞれの説明とオムライスのセットの仕方が日本語と英語で表記されています。中央区の老舗に機内で出会えるとは、ちょっと嬉しい驚き。
たいめいけんさんは昭和6年(1931年)創業の知らぬ人のない洋食の老舗。CAさんの説明によると
「AIRたいめいけん」は9月1日から11月30日までの期間限定の企画で成田発の長距離路線(ニューヨーク、ボストン、シカゴ、ロンドン、パリ等)羽田発はパリ便のビジネスクラスだけに搭載されているとのことです。機内で出会う老舗の味はなかなかで、旅の始まりにこれからの旅の楽しさを予感させてくれるとても嬉しいサプライズでした。美味しい旅になりそうです。
余談ですが満席だったのでトイレの前でストレッチをしていた私に近くにいたCAさんが「竹の足踏み」を貸してくれました。効き目抜群で到着前に2-3回使わせてもらいエコノミークラス症候群にもならず無事到着しました。長距離にもかかわらず到着間際までトイレもきれいでいつもトイレの清潔さは日本の航空会社が一番だと感じています。
[滅紫]
2012年10月 1日 08:45
国際協定によるコーヒーの新年度は10月。このため10月1日を年度始め"コーヒーの日"とすることが1983年(社)日本コーヒー協会により定められたそうです。
皆様はコーヒーをどのくらい召し上がっていますか?
日本コーヒー協会の統計によると、輸入量を人口で割った一人当たりの消費量のトップはルクセンブルクで2,844杯(2010年統計、一杯10g使用として計算)、2位フィンランド1,212杯、ヨーロッパ諸国が続き、日本は10位にも入らない340杯です。因みにアメリカ411杯、イギリスは304杯です。
日本の輸入先の国別トップはブラジル、コロンビア、インドネシアの順でこの3カ国で60%以上。私は一日に平均3杯は飲んでいるのでデンマーク、ノルウエーなみですネ。かなり中毒気味の私がいつもお世話になっているのがここライブコーヒー月島店です。
ライブコーヒーさんは1958年に(有)とらや商店として喫茶、レストランへの卸専業としてスタート。その後1970年月島に本社を移転したのを機に小売を開始。1984年からライブコーヒーとして営業をされています。都内各地に支店があり、中央区内にある築地店ではコーヒーも楽しめます。
西仲通りに面したガラス張りの開放的な明るいお店には世界各地からのコーヒー豆がずらりとケースに入っています。
「中南米やアフリカなど生豆の産地を自ら視察し化学薬品や化学肥料などを一切使わず昔ながらの栽培方法の農園」のコーヒー豆を仕入れている(HPより)とのこと。目移りしいろいろ浮気をした結果、最近のお気に入りはイエメン産の「モカマタリ」です。寝ぼけ眼で豆を挽くと甘い香りがキチンに漂ってセットしたコーヒーが出来上がる頃にはすっかり目が覚めています。
ここで薀蓄。「モカ」はイエメンの紅海寄りの小さな港町の名前でここから船積みされていたので港の名前にちなんでモカコーヒーと呼ぶことになったのだそうです。その後、積出港は南岸のアデン港に変わりましたが、名前はそのまま。「イエメン、アデン」といえば、「ぼくは二十歳だった。それが人の一生で一番美しい年齢だったなどと誰にも言わせない」というポール・ニザンの「アデン・アラビア」の有名な冒頭の文章を40-50年前に若者だった世代の方々には懐かしく、そしてちょっとほろ苦さとともに思い出されるかも知れません。
これから一日毎に深まっていく秋の日にコーヒーを楽しみながら世界各地の産地に思いを馳せてみるのも楽しいかと思います。蛇足ですが統計上コーヒー飲用量の多い人は長命だそうですヨ。
ライブコーヒー月島店:中央区月島1-9-8 TEL3532-1005
営業時間 8:30~19:00 毎月25日から月末は感謝セール