中央区観光協会オフィシャルブログ

中央区観光協会特派員ブログ

中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

執筆者一覧

>>このブログについて

最近のブログ記事

「草乃しずか展―煌めく絹糸の旋律―」始まる  松屋銀座

[滅紫] 2017年12月31日 12:00

100_2579.JPG

2017年もあと3日、何かと気ぜわしい時期ですが、昨日から始まった「草乃しずか展」入り口は凄い人・ひと。年末のこの時期はゆっくり見られるだろうという予想はすっかり外れ、でもファンのひとりとしては嬉しい想定外です。草乃しずかさんは日本刺繍作家として国内での個展のみならず海外でも展覧会やワークショップを通し精力的に日本刺繍の普及活動に取り組んでいます。今回の展覧会はご本人のことばを借りると「日本人が表現してきた文様を刺繍によって表現することに挑戦しました。繍仏から始まり、服飾文化としての刺繍、今日のアートとしての刺繍へと移り変わってきた様を約200点の作品で展観」とのこと。

 

会場で目を引くのは「心に着せて」をテーマにしたエカテリーナ、マリー・アントワネットから淀君、北条政子、紫式部など13人の歴史に残る女性たちへの振袖。確かにこういうイメージだなと感じさせられる作品です。私が興味を持ったのは「日本の伝統模様110点」です。古来の日本の文様を「日本刺繍の技術を駆使して製作したもの。青海波、菊花菱、紗綾形などよく知られているものもありますが、籠目、雲龍、一つ鱗など名前と模様が不勉強で一致しないものもたくさん。

 

いつもは印刷物でしか見ることがないものが多いので110点がすべて刺繍の技法で製作されて展示されているのを見ると何とも洒落たデザインと色彩に驚嘆です。文様自体は1000年以上前からあるものですが、今でもこんな新鮮な印象を与えるのは本当に凄いと思わされます。

 

展覧会特別企画として「祝・新春ギンザの「和」めぐりマップ」が展覧会と同時期銀座1丁目から8丁目のお店で開催中です。展覧会のチケット半券でお店で特典が楽しめます(会場でマップが配布されます)

 

新年にちょっと日本文化を考えるのにぴったりの展覧会です。

 

 

「草乃しずか展」1月15日まで

松屋銀座 8階イベントスクエア10時~20時(最終日は17時閉場

入場料一般1000円

 

 

 

東京銀座朝日ビルと漱石・啄木

[滅紫] 2017年12月20日 12:00

100_2568.JPG 100_2569.JPG

建替中だった並木通りの朝日ビルが完成し11月15日から順次にロレックス、ルイ・ヴィトンがオープンし、サンモトヤマも戻ってきて更にお洒落な通りになりました。来年の1月22日にハイアットホテルチェーンの「ハイアット・セントリック・銀座」が3階から12階にオープンするのも楽しみです。164室だそうです。気になっていた「石川啄木の歌碑」も元の場所にありました。何だか安心。ご存知の通りこの朝日ビルの場所は朝日新聞社が大阪から進出して明治21年(1888)社屋を構えた場所です。最初の場所は少し離れた元数寄屋町2丁目ですが、2か月後に滝山町(現在地)に移転して昭和2年(1927)有楽町(今のマリオンの場所)に移るまでここで新聞を発行していました。売れっ子作家を入社させて執筆させていたのも有名で明治37年には二葉亭四迷、そして明治40年には夏目漱石が入社しています。今年生誕150年になる漱石は朝日入社前は東京帝大講師でした。「帝大講師を辞めて新聞社に入った」というのは当時大変なセンセーションを巻き起こしたそうです。東京帝大講師の俸給は年俸800円、一方朝日は月俸200円ですから約3倍になったわけで漱石40歳の華麗なるトラバーユといったところでしょうか。朝日に移って発表した最初の小説が「虞美人草」です。評論家の小宮豊隆は次の様に書いています。「漱石が大学を辞めて新聞社に入ったということは当時の一大センセーションであった。その漱石が今度いよいよ「虞美人草」を書くと云うので三越では「虞美人草浴衣」を売り出す。玉宝堂では「虞美人草指輪」を売り出す。ステーションの新聞売り子は「漱石の虞美人草」といって「朝日新聞」を売って歩くという風に世間では大騒ぎをした」

 

この漱石の2年後明治42年(1909)に石川啄木が校正係として入社しています。月給25円、翌年には才能を認められ朝日歌壇の選者にもなりました。明治40年代の物価は現代に換算すると約2万倍(「明治の金勘定」山本博文)とのことなので漱石は年俸だと4800万円、啄木は600万円くらいですね。ちなみに二葉亭四迷は漱石の半分です。新しいビルをご覧になるときには道路側にある啄木の歌碑も是非ご覧になってください。

 

石川啄木歌碑 「京橋の滝山町の新聞社灯ともる頃のいそがしさかな」

銀座6-6-7(並木通り)

 

 

 

師走の一時をー「十二月大歌舞伎」 歌舞伎座

[滅紫] 2017年12月16日 14:00

100_2571.JPG

浅草で高麗屋三代の襲名記念のお練りが行われた日、三部を見ました。なかなか予定が立たず2日前に予約したのに割といい席が取れたので入りが悪いのか?とちょっと心配しましたが(私が心配するようなことではありませんが)「大入」の札を見て何だかほっとしている自分が可笑しくなります。確かに一階の目に入る範囲はほぼ空席無し。三部は「瞼の母」と「楊貴妃」ともに玉三郎さん相手役は中車さんです。「瞼の母」は長谷川伸の新歌舞伎、中車さんが「歌舞伎役者も」と話題になったのはいつのことだったのかと思うほど、すっかり歌舞伎の人です。「楊貴妃」は夢枕貘さんが玉三郎さんのための書下ろし。玉三郎さんの美しさに陶然としているうちにいつの間にか幕が。・・・・

 

三部制だと最後の三部の開演は18:30、この時間だとお勤め帰りの方も何とかご覧になることが出来ますね。気のせいか若い方が多いように見受けられます。一部は愛之助さんの「実盛物語」と松緑さんの「土蜘」、2部は中車さんの「らくだ」松緑さんの「蘭平物狂」。上演時間が2時間半くらいですから「歌舞伎は長いので疲れる・・」という方も気楽にご覧になれると思います。年の瀬も近く何かと気ぜわしい時期ですが、お忙しいひととき、お芝居でリラックスされるのは如何でしょう。

 

千穐楽は26日

1部11:00~ 2部15:00~ 3部18:30~

お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~18時)

 

 
1