[滅紫]
2019年2月18日 14:00
西洋絵画専門の画廊として1969年にオープンしたギャルリーためながが創業50周年を迎え、創業当初より紹介してきたポール・アイズピリの展覧会が2月14日から始まりました。為永さんのご挨拶で「50周年企画の最初に採りあげるのはアイズピリ以外は考えられなかった」とお書きになっているように画廊とはご縁の深い作家です。
アイズピリといえば子供、飛行機、自転車、魚、鳥、そして勿論花とサントロペ、ベニスなど、暖かい色彩の軽やかな作品が多く、個人的には住まいに飾るのはアイズピリがいいなといつも作品を見ながら感じています。(買えると更に嬉しいのですが)。40点も並んでいて見ているだけで幸せな気分にさせてくれます。
創業者の為永清司氏が画廊を開いた1969年は西洋美術館が出来てまだ10年余り、日本人の西洋絵画に対する知識はまだまだの時代でした。当時の日本ではまだ無名だったエコールドパリの画家たち、モディリアニ、ヴァン・ドンゲン、キスリング、シャガールなどを紹介したのもこの画廊です。「創業期からともに歩んだ画家と画商の半世紀の軌跡」を是非ご覧ください。
ギャラリーためなが 銀座7-5-4
TEL 03-3573-5368
10時―19時(日祝は11時―17時)
[滅紫]
2019年2月12日 14:00
京橋のLIXILギャラリーで開催中の展覧会の内、2つをご紹介します。
一つは「富士屋ホテルの営繕さん」
箱根のランドマーク、富士屋ホテル。2018年に創業140年を迎えたクラシックホテルは「一度は、今度もまた泊まりたい」というファンが多いことでもよく知られています。今回は「箱根と云う立地もあって創業以来何でも自社でまかなう社風があった。かつては自動車会社や牧場までありランドリーは勿論、日々の印刷物も自前で行ってきた。
時代は巡り効率化の波の中で変化したことも多いけれど今なお昔ながらのスタイルを守り富士屋ホテルの建築や家具・備品の補修・修繕を行っているのが営繕である」とパンフにあるようにホテルの「営繕」職の仕事に焦点を当てた一味違う展覧会です。
目を惹くのはまず20x10cm程もある客室「花御殿のルームキー」。ホテル内の案内札もすべて「営繕さん」の仕事、何とメニューカードまで、当時使用されていた印刷活字も展示されています。
もう一つは「クリエイションの未来展」シリーズ第18回の「《工藝》とは...」展です。
重要文化財保持者(人間国宝)2名を含む現代を代表する工芸作家12名による陶芸・染織・金工・竹工・截金の作品12点が展示されています。監修者の宮田亮平氏によれば「さまざまな素材と技法を生かした発信力のある作品が一堂に会することで工藝とは何かと根底から問うことができれば...」
何と良い日でしょう!作品に囲まれ贅沢な時間を独り占めしてしまいました。撮影掲載許可をいただきましたのでまずは写真をお楽しみいただき、あとは是非会場でご覧ください。
LIXILギャラリー京橋3-6-18 TEL 03-5250-6530 http://livingculture.lixil/gallery/
「富士屋ホテルの営繕さん」最終日2月23日(土)
「工藝とは...」最終日 3月19日(火)
10am-6pm
[滅紫]
2019年2月 7日 18:00
節分、立春と2月も駆け足で始まりました。「初世尾上辰之助三十三回忌追善」とあるのを見てもうそんなに経ってしまったのかと余りに早く40歳で亡くなった辰之助を思い出します。
夜の演目「名月八幡祭」(縮屋新助)が昭和58年に歌舞伎座で上演された時の縮屋新助は辰之助、三次は孝夫(仁左衛門)、芸者美代吉は玉三郎でした。今回は追善とあって仁左衛門、玉三郎さんが松緑さんにつきあう所縁の顔合わせです。うっとりするような玉三郎さんと情夫役の仁左衛門さんの絡みは長年の名コンビ独特の雰囲気を醸し出しています。富岡八幡宮祭礼の日の永代橋崩落のどさくさに紛れ、裏切られ狂乱した縮屋新助が美代吉を殺害する場面、霧雨が舞台に広がると、「本水使用のため」配布されたビニールのかぶりものの出番です。今日は2列目まで配られています。座席に着いて置いてあるのを見つけると何だかわくわくするものです。
「當年祝春駒」は曽我狂言の舞踊で曽我五郎には松緑さんの長男左近くんが、隈取もりりしく登場、隣の方と「辰之助に似ていますね!」。「熊谷陣屋」は吉右衛門さんでストレートに熊谷の心理が伝わってきてあちこちハンカチが。名演です。
昼の部の「すし屋」はいがみの権太を松緑さんが初役で、「暗闇の丑松」「団子売」です。
今月の演目に因んで特別醸造の「熊谷」「いがみの権太」が発売されています。
二月大歌舞伎は26日が千穐楽です。
お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489 (10:00~18:00)