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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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東京がひとつになった日

[小江戸板橋] 2014年2月25日 14:00

「東京マラソンを走ってみようか。」

仕事の打ち上げで、酒の勢いからつい出た言葉。

その話を一人が受ける。

「テレビ中継もあるし、決めポーズが映ったら、かっこいいよね。」

「俺は、マラソンなんて走れないな。途中から救急車だよ。」

「倍率が高いんだから、参加できるとは限らない。運試しも兼ねて、エントリーしようよ。」

「裏切るな。絶対みんな、登録するんだぞ。」

翌日、日ごろの運動不足も顧みず、勢いで職場のおじさんたちはパソコンに向かいました。

数か月後に着信した結果は、

10倍を超える倍率に、全員不合格。

3万5千人のランナーに選ばれるのは、なかなか至難の業です。

 

それでも、いったん動き出した気持ちは、次の目標に向かいます。

大会をサポートするボランティアの募集がある。

うん、これだな。

 

2014年は、ソチ冬季五輪、サッカーのワールドカップをはじめとする国際大会が続きます。

その熱気が、「何かしなくては」という気持ちに火を点けました。

そして、2020年の東京五輪開催決定により、明確な目標が心の中に打ち立ちました。

6年後、何らかの形で関わりが持てたならば、素敵なことじゃないですか。

 

東京マラソンのボランティアは、活動エリアを希望登録することができます。

それならば、やはり中央区内にしましょう。

決定通知は、銀座・日本橋エリア15区、日本橋茅場町。

私の役割は、ランナーにトイレのある場所を知らせることです。

地味ですが、必要に迫られると、がぜん優先順位が高まる重要な任務です。

(経験した方なら、分かりますよね。)

 

2月23日(日)、前2週続けての記録的降雪による懸念は、晴れました。

時折雪が風に乗る、キーンと張った空気の中、笛太鼓の音が流れてきます。

近くの、首都高兜町駐車場前の応援パフォーマンスです。

中央区の地元団体によるお囃子。

小学生の音楽演奏。

気分が高鳴ります。

車いすランナー、そしてトップ集団の姿が現れると、うわあっと声援が広がります。

 

午後からは、陽射しも出てきました。

都市の風景の中を力走する選手。

仮装大賞を思い起こさせる、手の込んだ衣装の選手。(目立つ分だけ、走りにくそう。)

思い思いの走り、人の波が、次々に目の前を過ぎていきます。

 

海外からの参加者も増えたようです。

東京マラソンは、2013年からワールドマラソンメジャーズに加入しました。

ボストン・ロンドン・ベルリン・シカゴ・ニューヨークシティマラソンと並ぶ、世界のトップレースです。

困った顔の外国人ランナーに、とっさの単語が出てこない歯がゆさ。

苦し紛れの、身振りと笑顔で対応。

なんとか通じました。

次回は、もう少しスムーズに案内できるようにしましょう。

 

復路は、通り中央のカラーコーンまで進み、応援です。

手を振り、拍手をし、声をかけます。

ハイタッチやお辞儀での返事が返ってきます。

ちらっと投げかける視線だけでも、その思いは伝わります。

目頭がじゅわーっと熱くなって、一瞬、ビルの風景がうるんで見えました。

 

1万人で構成されたボランティア。

その年齢は、結構幅がありました。

ずっと立ち続けなので、ご高齢の方には少し気の毒でしたが、無理せず関われる範囲で、

一緒に楽しむ気持ちがあれば十分だと思います。

そういう私も、解散時には声はかれ、足がパンパンになりました。

心地よい疲れでした。

 

 

 

 

 

 

 
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