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2014年10月13日 14:00
茶席(中島の御茶屋) 野点(中の橋袂)
10月11・12日の両日、浜離宮恩賜庭園で「東京大茶会2014」が開催された。
茶道に馴染みのない人にも「お茶の文化」や「茶の湯」を気軽に楽しんで貰おうと2008年から始まったイベント。
日本の伝統文化の魅力を国内外に発信する「東京発・伝統WA感動」の主要プログラムのひとつで、お茶の文化とそれを育んできた江戸・東京の文化を紹介することを目的に、数々の流派が一堂に会し、様々な趣向の茶会が楽しめる。
今年は1964年東京オリンピック・パラリンピック50周年記念と題し、園内では「茶席」(中島の御茶屋)「野点」(中の橋袂)「茶道はじめて体験」(花木園)」の3プログラムの他、江戸の行商・江戸太神楽のパフォーマンス、相撲甚句・日本舞踊・尺八演奏のステージイベント、飴細工・江戸切子・茶菓子/抹茶 等の出店に加え、1964年東京大会を振り返り、パネル展示ブースが設営されている。
「野点」コーナーでは、板橋区・北区・中央区の各茶道連盟による「野点」(計3席)の他、目黒区茶道連盟による「イングリッシュ野点」、東京都高等学校文化連盟茶道部門による「高校生野点」が組まれている。
中央区茶道連盟の野点の席で、流派により作法の違い等の解説にも耳を傾けながら、お手前をいただいた後、展示された茶道具に纏わる話を伺う。
当日は表千家、裏千家、有楽流が交代で担当との由。
茶道は景色・道具・作法等すべてにおいて究極の美を追求した総合芸術で、独特の哲学の根底には、"おもいやり" の精神があるとされる。
秋空の下、奥深い茶の湯の世界の一端に、垣間触れるひとときでした。
[巻渕彰/写楽さい]
2014年10月 7日 09:00
中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)で、同館サポーターが企画制作した第2回パネル展「岸田劉生と銀座 ~生まれ育った銀座の思い出~」が10月4日からはじまった。画家・岸田劉生が『東京日日新聞』に連載した明治期からの銀座の思い出随筆に、自画や参考写真を添えたパネルで紹介している。会期は11月30日まで、月曜休館、観覧無料。詳しくは「区のおしらせ中央」(2014/10/1号)HP こちら>>
岸田劉生(きしだ・りゅうせい)は明治24年(1891)、銀座に生まれた。父の岸田吟香(1833-1905)はジャーナリストとして東京日日新聞主筆を務める。明治8年(1875)銀座二丁目に薬舗「楽善堂」を開業し、日本初の液体目薬「精錡水(せいきすい)」を製造販売した。
劉生は画家として愛娘をモデルに「麗子像」を制作するなど、独創的な絵画表現を追求した。
関東大震災(大正12年(1923)9月)の壊滅から立ち上がり、帝都復興を目指しているそのころ、昭和2年(1927)3月から『東京日日新聞』(夕刊)で、連載「大東京繁昌記」がはじまった。
劉生は、この連載で「新古細句銀座通(しんこざいくれんがのみちすじ)」と題して、同年5月に筆を執る。本展示はその第1回をパネルで紹介している。銀座に生まれ育った劉生は、震災前の懐かしき銀座情景を文章と挿絵の鋭い感性で描いている。
展示では明治35年(1902)の銀座通り住宅地図が掲出されているのでパネル文と対比して見ることができるし、110年ほど前の銀座と今日の街並み変遷を知ることも面白い。
劉生はこの執筆の2年後、昭和4年(1929)に38歳の若さで亡くなった。@巻渕彰