春の中央区歴史散歩2014「江戸前島を歩く」の後編第2回が4月20日(日)開催された。この歴史散歩は中央区の原型とされる「江戸前島」といわれる江戸前期の地形をたどりながら、周縁の名所旧跡を巡ろうと企画されたもので、前編・後編の2回にわたって実施された。参加者は区報「区のおしらせ中央」で応募した皆さんで、企画主催は中央区まち歩きボランティアガイドの「中央区文化財サポーター協会」。関連記事 こちら>>
第2回の後編は、前編に引き続き築地川跡から八丁堀、兜町へ楓川跡の江戸前島東縁辺をたどるコース。50人ほどの参加者は中央区役所前に集合し班別の分かれて出発した。三十間堀・京橋川・楓川に架かっていた通称三つ橋は「江戸名所図会」にも描かれた場所であった。現在は首都高1号線にその痕跡がある。京華スクエア前の「八丁堀与力同心組屋敷跡」説明板はこの一帯が組屋敷跡であったことを物語っている(写真)。天祖神社は江戸期、伊勢外宮の別宮の遥拝社・伊雑(いそべ)大神宮跡で江戸名所図会にも登場する。
八重洲通りを越え「江戸もみじ通り」の辺りは旧本材木町で江戸初期の木場であった。新場橋辺りは「新肴場」が置かれ、日本橋と並ぶ江戸2大魚市場であった名残である。日枝神社摂社・茅場町薬師は天下祭りの御旅所、植木店で知られ、江戸の守り神。兜神社の場所は江戸期牧野家の屋敷跡、明治期には渋沢栄一邸が置かれた。この辺りは江戸前島の東縁辺で、楓川が日本橋川と接していて舟運の一番輻輳していたところであった。現在は首都高高架橋の交通混雑がとってかわった。日本橋で今回の歴史散歩は終了した。@巻渕彰