東京高速道路という道路をご存知でしょうか?新京橋から蓬莱橋(新橋)まで銀座をぐるっと囲む形で走る高速道路です。あたかも銀座の街を守る城壁のようにも見えるこの道路、銀座を歩いたことのある方であれば必ずや目にしたことがあるのではないでしょうか?私のブログ記事でも何回か登場(『銀座の酒屋さんで「ちょい飲み」~銀座君嶋屋殻』他記事:
/archive/2015/08/post-2627.html)しているので、今回はこの高速道路について取り上げたいと思います。
高速道路といえば東名高速道路など国の道路、東京では首都高速が思い浮かびますが、銀座を取り巻くように走る全長2kmのこの道路は民間企業が中心となって1951年に設立(道路開業は1959年)された高速道路です。
首都高速八重洲線(Y)、都心環状線(C1)と連絡して首都高速都心環状線のバイパスの役目も果たす道路なので、ドライバーの方であれば気がつかないうちに1度は通ったことがあるのではと思います。
【東京高速道路地図(出所:東京高速道路㈱HP)】
さらにはこの道路、高速道路ではあるのですが通行料が無料という点もユニークです。
首都高速からの乗り入れの場合は勿論ですが、例えば新橋駅前の土橋入口(銀座8丁目)から入って新京橋(銀座1丁目)で降りればお金を払う必要なし、もともと銀座の渋滞を解消するために作られたことや外堀、京橋川、汐留川を埋め立てて作ったこともあり無料としたようです。一方、無料で建設費や高速道路の維持管理はどうするのかという疑問がわきますが、その秘密は、高速道路の下のスペースの活用。
【東京高速道路概念図(出所:東京高速道路㈱HP)】
3階部分が高速道路として使われる一方、下のスペースは、約400の店舗が入居する商業スペースになっています。銀座インズ、西銀座デパート、銀座ファイブ、コリドー街、銀座ナイン等みなさんのおなじみの飲食店街のほか、タクシー会社、駐車場などのスペースとして活用されており、これら銀座の一等地の10万㎡のスペースから得られる賃貸収入で高速道路の運営費用を賄うという、以前ブログ記事「江戸バスの屋根付きバス停」でご紹介したPPP(官民連携パートナーシップ: /archive/2015/08/post-2618.html)を先取りしたような画期的な仕組みが使われています。
さて、東京高速道路の下のお店ですが、冒頭紹介した立ち飲み屋さんの銀座君嶋屋さんを始めとして魅力的な店が揃っています。次回以降『特派員の商店街訪問』で逐次紹介したいと思います。乞うご期待!