今日ご紹介するお店は京橋屋カレー。その名の通り、京橋にあるカレー屋さんです。
場所は京橋大根河岸青物市場跡の碑のすぐ近くです。
2006年にこの地で営業を始め、できるかぎり有機野菜を使い、食材はすべて無添加、
小麦粉を使わない香り高いオリジナルスパイスカレーを提供しています。
といっても今日のお話はカレーについてではなく、お店についてです。はて。
京橋屋カレーは開店以来、全席禁煙としてきました。
今の時代、食材の味と香りを大切にする飲食店が全席、全時間帯禁煙となっているの
は珍しいことではありません。
ですが、京橋屋カレーは様子がちょっと違います。
以前から「たばこのにおいお断り」「香水禁止」という入店ルールがテレビやネット
で取り上げられ、話題となっていました。
きっとよっぽどこだわりのあるお店に違いない、ルールを守らないとどんな頑固な
強面店主にどやされるのだろうと想像(期待!?)をするところですが、こちらの
ご主人はとても柔和な方です。
実は厳しい入店ルールにはこのような理由がありました。
ご主人はたばこの有害物質による化学物質過敏症と受動喫煙症のため、身体に有害物
質を感じると、痛みや腫れ、しびれなどの症状が現れ、お店の営業に支障をきたして
しまいます。たばこ以外の化学物質にも同様の反応を起こすことがあるので、香水や
衣料用洗剤の香り成分などをまとっている方のご来店も遠慮せざるを得なかったのです。
たしかに最近は「香害」という言葉も聞かれるようになり、環境問題として捉え、
化学物質過敏症に悩む方々がいることへの理解と配慮を促す自治体も増えています。
店内に余計な香りがしないことは、おいしい食事を求めるユーザー側にとっても
メリットであるに違いありません。
"京橋屋"でしか味わえない「ときえカレー」。詳細は次回の記事でお伝えします。
厳しい入店ルールは、裏を返せば京橋屋カレーが化学物質過敏症や受動喫煙症の方に
とって極めてリスクの少ない空間であるということです。そのような場所を必要とし
ている方の数は、もしかしたら自分が思っている以上に多いのかもしれません。
化学物質過敏症について くわしくはわかりやすいマンガでどうぞ
「香害への理解、日本にもっと」 Canaria‐Up カナリアップ のページ
とはいえ、実際に来店されるすべての方の理解を得ることは難しく、ご主人と奥様
はさまざまな努力を続けてこられましたが、残念ながら貼り紙をするだけでは効果
がなかったり、やむなく入店をお断りしたときに心ない言葉を浴びせられたりと、
お店では大変なご苦労があったそうです。
そこで京橋屋カレーでは2018年4月より新しい営業形態を模索し、5月には13年目にして初めてお持ち帰り用の販売を始めました。今後はテイクアウトでの営業が主軸となります。
昨今の禁煙ブームの折、普段から肩身の狭い思いをされている愛煙家の方も少なくな
いことと思います。そうした方々には耳の痛いお話かもしれませんが、ご主人のお身
体を思い、そして京橋屋カレーのファンの方々のためにいつまでも元気にカレーを作
り続けてほしいと考えたとき、お店に独自の入店ルールがあることや、どなたにもご利用いただけるテイクアウト専門店へ転換したことをより多くの方にお知らせしたいと思いました。
個性的なオリジナルメニューが魅力の京橋屋カレー。
今まで以上にお客様が安心してカレーを楽しめるお店を目指していくそうです。
実食レポートはこちら
【京橋】 健康志向のスパイスカレーをテイクアウト 「京橋屋カレー」
中央区京橋3-4-3 千成ビル2F
03-5203-2810
京橋駅・銀座一丁目駅
ランチ営業のみ
営業時間や休業などの情報はTwitterでご確認ください。
Twitterはこちら https://twitter.com/kyobashiyacurry