[佐平次]
2015年5月17日 09:00
日本橋に日本唯一の6☆ホテルがあるのをご存じだろうか?
そのホテルの名は「マンダリンオリエンタル東京」だ。
このホテルは香港に本社を持つマンダリン オリエンタル ホテル グループが日本で2005年12月にオープンしたラグジュアリーホテルだ。
同グループは1974年にタイのバンコクにある、常に世界のホテルランキングでトップを誇る名門『ザ・オリエンタル・バンコク』(現・マンダリン・オリエンタル・バンコク)をも買収している。
外資系、国産を問わず、ホテルランキングではトップを独走。ミシュランガイド東京ではホテル格付け最高ランクの評価を得ており、米国の権威ある格付け機関(アメリカン・アカデミー・オブ・ホスピタリティー・サイエンス)からは、世界で初めての「六つ星」の最高評価を取得しているのである。
日本橋にある国の重要文化財である三井本館の隣に建設された大型複合再開発ビル日本橋三井タワー(千疋屋日本橋総本店のあるビル)の30階から36階を占めるのだが中央通りからは何処にホテルの入口があるのか非常にわかりづらい。
ロビー正面の小さな入口を入り少し奥に進むと左手にエレベーター乗り場がある。
ホテルのフロントは最上階(38階)にあり、その階と下の階にホテルのロビーと朝食用のレストランやティ―ルームがある。
客室は専用のエレベータで降り部屋のカードキーがないとエレベーターには乗れないが、このロビーまでなら誰でも入れるし全面ガラス張りのロビーから視る東京の景色は周りに高い建物があまりないので格別である。 もちろんティールームでお茶を飲むのもいい。
しかし、本当のお勧めはロビーからの眺めではないのだ!
ロビーの横にあるトイレに入ってみよう! さすが6☆ホテル、素晴らしいトイレだ! 手を拭く暖かいおしぼりもふんだんにある。
でも一番素晴らしいのはトイレからの景色である。 全面が総ガラス張りで真正面にスカイツリーが、また途中に高い建物がないために隅田川とともに一望できる。
これだけ見事な東京の下町風景とスカイツリーを望める展望台はそうそう無いだろう(それも無料で!)
さて、ロビーに戻るともう一つ値打ちのある風景を楽しめる。
トイレと反対側、つまり西向の窓では東京駅周辺のビル群が目前に見下ろせるのだが、もっと近づいて真下を覗き込んで見てください。 緑色の屋根の建物が見えます。これが1974年(昭和49年)に国の重要文化財に指定された日本銀行本店本館です。
東京駅などを手掛けた建築家辰野金吾氏の設計で、柱やドーム<丸屋根>などのバロック様式に、規則正しくならぶ窓(まど)などのルネッサンス様式を取り入れた「ネオバロック建築」で、ベルギーの中央銀行を手本にしたとされている明治時代の近代洋風建築を代表する作品です。
この建物は上空から見ると『円』に見えることで有名ですが、建築当時の『円』の正字は『圓』であるため『円』を意識したものではないと言われてます。しかし『圓』の略字(手書き文字)として『円』の字は昔から使われているので、やはり『円』を意図してこの形にしたとの説もあり、この方がロマンティックな気がしますが...。
ともあれ、この『円』の形をした日本銀行の建物を真下に見られる場所は他に無いと思われますので是非ご覧になってください。(実際は横向きですが...)
このマンダリンオリエンタルホテル東京は全178室。最もベーシックなデラックスは約50平方メートルの広さで部屋代は朝食込で5万円(ツイン)。他の有名ホテルと比べてもそれほど高くもないので話題作りに泊まってもいいかも。
[佐平次]
2015年4月 5日 09:00
いよいよ春の訪れと共に桜の花も満開となりました。
桜の花もいいけど、舌で春を味わってみませんか?
春と言えば「いちご」の季節。 それもとびきりの千疋屋総本店の「クイーンストロベリーパフェ」は如何でしょう?
甘酸っぱくて新鮮な大ぶりの「いちご」に何ともいえないふんわりとした「生クリーム」に「ストロベリーシャーベット」とこっくりとした「バニラアイス」のハーモニー! もう彼女の心をギュギュっと鷲づかみ!
中央がクイーンストロベリーパフェ2700円 左が季節限定のデコポンパフェ1620円 右が千疋屋スペシャルパフェ1728円
んん~ん贅沢!
もう少しリーズナブルを!っという方には1階の店舗でのテイクアウトメニューは如何でしょう?
1階の椅子席や外のテラス席で食べられます。
千疋屋総本店日本橋本店
中央区日本橋室町2-1-2 日本橋三井タワー 1F パーラーは2Fです。
[佐平次]
2015年3月15日 14:00
東日本大震災から4年、政府が決めた5年間の集中復興期間は最後の1年となる。
しかし一部のインフラを除いて、復旧復興は進まず仕事や住まいなどの問題はまだまだ先が見えない。
この時期になるとメディアは挙って震災関連のニュースを流すが、時間と共に、この未曾有の災害でも多くの人々の記憶から徐々に薄くなって行ってしまう...。
しかし、被災地、被害者が本当に支援を必要とするのはこれからではないだろうか? 重労働を伴うボランティアや多額の寄付はできなくても被災者を想い災害を記憶に留めることが大事だろう。次は我が身かもしれないのだから...。
今月の3日、日本橋1丁目コレド日本橋の脇に<南三陸交流施設>「わたす 日本橋」がオープンしました。
この施設は宮城県南三陸町をはじめとする東北の被災地を応援する情報発信・交流を目的として同町や東北の食材を提供したり、大学生による学習支援を行ったりして、首都圏での被災地支援の拠点とするものです。
「わたす 日本橋」の「わたす」とは東北弁でなくて、南三陸と日本橋との橋渡しの意味をこめたのと、平和の「わ」、人の輪を足していくなど多くの意味を込めたものだそうです。
この施設は、三井不動産株式会社さんが、震災直後から、同社多くの社員が復興ボランティアで南三陸町を訪れたことなどがきっかけで、交流が盛んになりもっと継続的な活動ができないかという社員の想いを実現させた取り組みで、東日本大震災復興支援の一環としての常設拠点として開設されたものです。
三階建ての建物のうち1~2階は南三陸と東北の旬の食材を活用したカフェと、観光やイベント情報等を発信する「飲食と情報発信のフロア 『わたすカフェ』」で8種のおかずが盛られた「わたすランチ」や様々なフレーバーのお茶や夜にはディナーが楽しめます。また観光やイベント情報の提供や農水産物、復興グッズの販売も常時行われるそうです。
3階はオンラインにより南三陸町の志津川中の教室とをつなぎ、東京の大学生が現地の中学生に補習授業をする学習支援も行われ、また復興関連のイベント・ワークショップ等により被災地と日本橋を結ぶ「交流のフロア『わたすルーム』」となっています。
「わたすカフェ」でのランチタイムのおすすめは、三陸の食材をふんだんに使った和・洋8品のお惣菜に炊き込みご飯、スープとわかめ入りのパンが食べ放題の「わたすランチ」1380円、料理内容は日替わりですが、産地直送の四季の新鮮な食材を、そのときいちばんおいしい方法で調理して提供されます。
ほかにも、「三陸シーフードチャウダー」980円や、「三陸メカジキバーガー」980円、「フィッシャーマンカレー」980円などいづれも南三陸・東北の豊かな海の幸と山の幸がふんだんに使われています。
すべてのランチには三陸のわかめを練り込んだパンがついて食べ放題?とのこと。
ティータイムにはさまざまな季節のフレーバーティーを、ディナータイムは東北の地酒やワインなどと一緒に、豪快なシーフードやフレッシュな野菜を中心にした料理が提供されます。
場所はメトロ「日本橋」から徒歩1分の便利な場所にあります。 買い物、お散歩にお出かけの折、カフェで美味しいランチを食べながら南三陸町の発行するフリーペーパー「南三陸」を読み復興グッズを手に取り、今一度東日本大震災の復旧復興を考えては如何でしょう?
席数 営業時間
約30席
年末年始を除き、無休
月曜日~土曜日 11:30~23:00 日曜日 11:30~18:00
ランチタイム11:30~16:00、ティータイム16:00~18:00
ディナータイム18:00~23:00(LO/22:00)
「わたす」HP:http://www.watasu.net
[佐平次]
2015年2月17日 09:00
毎月一回、銀座「芦野サロン」では茶論(さろん)・土(ど)・かぶきという歌舞伎ファンのためのセミナーが開催されています。
内容は講師に金森 和子氏を迎え、歌舞伎をより深く楽しむために翌月の歌舞伎座上演の演目を中心に演目の歴史や作者、各幕における見所や役者と役柄の関係、大道具や小道具の場面での意味などをレクチャーして頂き、より歌舞伎を理解しその魅力に浸って貰おうというものです。
今回は3月の大歌舞伎「菅原伝授手習鑑」についてレジュメが配られビデオも使っての詳しい解説がなされました。
ときどき歌舞伎役者もお見えになるとか...。
主催者の芦野孝男氏と講師の金森和子氏
途中の休憩時間には演目の「菅原伝授手習鑑」にちなみ梅の和菓子と抹茶が配られました。
セミナー講師の「金森 和子」氏は松竹演劇部発行『季刊歌舞伎』の編集を経て1976年からフリーとなり、歌舞伎を中心にその普及のための執筆、編集、翻刻に携わり、1978年からは歌舞伎座をはじめ大阪、京都、名古屋での歌舞伎公演プログラムにあらすじを四半世紀にわたり執筆してきました。著書には『歌舞伎ファッション』『すぐわかる歌舞伎の見どころ』『歌舞伎図鑑』『歌舞伎を支える技術者名鑑』『義経千本桜』など多数あります。
このセミナーに参加されている歌舞伎ファンのために「金森和子と行くこんぴら歌舞伎観劇ツァー」 4/13(月)第二部、/14(火)第一部の両方観劇のチケットと1泊の宿がついて47000円(25人限定)という企画もあります。(現地集合・解散)
チケットだけでも(14000円×2)ですので入手困難な「こんぴら歌舞伎」が二部共観劇ができて「金森 和子」氏と御一緒できてお話が聞けるというのはお得かと思います。
そんな遠くには行けないという方にも「歌舞伎でも見よう会」という集まりがあり3月公演は3/15(月)昼の部となっています。
また次回の「茶論(さろん)・土(ど)・かぶき」は4/18(土)です。
会費 ¥3,500 (お茶・お菓子付き)
定員 限定35名(要予約) 主催 舞藝舎
この主催者である「舞藝舎」とは伝統芸能舞台制作関係の仕事を基盤に、伝統芸能(邦楽邦舞、歌舞伎、民俗芸能など)の普及を目的とする団体で伝統芸能や古典芸能のプロデュース及び伝統芸能関係のマネージメント業務、各地の公文協・学校・地芝居での歌舞伎を中心に義太夫や鳴物などのワークショップなど幅の広い事業を行っています。
因みに代表で全日本郷土芸能協会専門委員の「芦野孝男氏」はかつて日本を代表する男性シャンソン歌手「芦野 宏」氏の甥御さんだそうです。
お問合せは舞藝舎まで TEL&FAX 03-3260-5780 E-MAIL:ashino@bugei21.com
芦野 孝男 090-1766-1114
会場の「ニュー東京ビルディング」はエントランスホールに何故か郵便ポストが立っています。
銀座「芦野サロン」 中央区銀座5-11-13 ニュー東京ビル8F 芦野温泉株式会社内
銀座線・日比谷線 「銀座駅」 A3出口から徒歩3分
日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」A1出口から徒歩3分
[佐平次]
2015年1月31日 09:00
かつて、日本橋人形町三丁目には江戸末期から昭和の時代まで『人形町末広(廣)』という寄席がありました。 客席がすべて畳敷きの落語定席として人気が高かったのです。
観客は入口に履物を預けて入場し座布団に座るのですが、夕方の前座の頃は入場者も少なく座布団を枕にして寝ころびながら高座を見ている観客や、出前の鮨を食べながら落語を聴いているような観客も居たように記憶している。
しかし、志ん生や文楽、圓生など真打の登場の時間ともなると場内は満席になりテレビカメラも入りすごい熱気が溢れていました。 ところが土地の高騰、テレビなどの娯楽の多様化や住民の減少などで1970年(昭和45年)1月もって閉場してしまったのです。
その後、中央区などの地価の高い場所では寄席の経営は困難で新たに出来ることもないだろうと思っていましたが、平成6年演芸・邦楽等、伝統芸能の公演、稽古を主眼とした初の本格的演芸場として「お江戸日本橋亭」がオープンしたのです。
経営は不動産の賃貸・仲介・管理などの業務の永谷商事で、日本の伝統芸能である、落語・講談・新内・義太夫などの公演の場である演芸場として永谷ホールを運営しています。
お江戸日本橋亭は東京メトロ「三越前駅」から数分、「日本橋駅」からでも6、7分という便利な場所にあります。
公益社団法人落語芸術協会の「定席」(毎月21日~27日までの平日夜開催)をはじめ、講談・浪曲、新内・小唄・長唄・義太夫などの伝統芸能を体感できます。
場内は舞台の前が畳敷きで後が椅子席で満席でも100人ほどの小さな小屋ですが、若手落語家の熱演で久しぶりのライブを楽しむことができました。
木戸銭は公演によりますが大体2000円くらい、でも年会費5000円を払って「お江戸演芸倶楽部」の会員になれば「お江戸日本橋亭」の他、お江戸上野広小路亭・新宿永谷ホール・お江戸両国亭等で開催される演芸会公演の招待が20回以上、他の公演もほとんど半額になる優待割引の特典が得られる利用券がもらえるので絶対お得です。
その他、講釈師の案内による街歩きと寄席鑑賞がセットになった「講釈師と歩く歴史と文化の散歩ラリー」や落語・講談・浪曲・マジックから義太夫・端唄・お座敷舞踊まで余興で披露したい方からプロを目指して本格的に学んでみたい方までの「お江戸演芸邦楽スクール」や大相撲ファンのための「お江戸相撲同好会」もあります。
入会の申込みは入口のすぐ左手の永谷商事のオフィスで受け付けています。 入会後、即利用権での入場も可能です。
お江戸日本橋亭 http://ntgp.co.jp/engei/nihonbasi/index.html
[佐平次]
2014年12月 9日 09:00
日本橋三越の裏手日本銀行本店横の通りを隔てた分館に日本銀行金融研究所「貨幣博物館」があります。
http://www.imes.boj.or.jp/cm/
日本の古代からの貨幣や資料はもちろん、海外の珍しい貨幣も収集・展示されています。
江戸時代の一両は現代ではいくらに相当するのか?など当時のモノの値段との比較だけでなく社会や経済の仕組みや農産物の作柄や地域差といったも踏まえて貨幣価値というものを理解させるような解説もあり、経済社会を勉強するような工夫もされています。
ただ実物や資料が展示されているだけでなく実際に触って感触や重さが実感できるほか、精密な偽造防止技術をルーペを使って調べたりと体験型のブースもあります。
円の起源や日本の貨幣の歴史の他、外国の珍しい貨幣や紙幣も必見です。
入場料はさすが日銀、無料と太っ腹ですが、何と年内でリニューアル工事のため休館となります。
休館は来年の11月頃までの 予定です。
年内は月曜の休館日を除き12月28日(日)までオープンしています。9:30~16:30まで
館内は写真撮影禁止ですので当ブログの画像はパンフレット&HPから転載したものです。
また、日本銀行では明治29年に建てられ国の重要文化財に指定されている本館や新館内部を見学しながら歴史や業務を解説してもらえるツアーがあります。
これは要予約で1日4回、所要時間は1時間です。
詳しくはHP https://www.boj.or.jp/about/services/kengaku.htm/