[ミル]
2016年6月13日 12:00
印象的なポスターに惹かれて、銀座のポーラ ミュージアム アネックスの「玉川堂200年展」にお伺いしました。
何の予備知識もなく入ったので、どういった展示なのか、とても楽しみでした
展示室に入ると、照明を落とした空間に、星のように輝く作品たちが。
一瞬で魅了されました。
玉川堂(ぎょくせんどう)は、日本を代表する金属加工製品の産地、新潟県燕(つばめ)市で、鎚起(ついき)銅器を制作されている会社なのだそうです。
鎚起銅器は、金槌で銅を打ち起こしながら、器を作り上げていく技法で、新潟県の無形文化財にも指定されているそう。
会場では実演も拝見することができました。
銅を叩いて延ばすのではなく、叩きながら縮めたり、丸めたりして、形作っていく様子は、とても興味深いものでした。
この鎚起銅器の技法は、江戸時代後期、仙台の渡り職人によって燕に伝えられ、1816年(文化13年)に、玉川堂の祖、玉川覚兵衛によって受け継がれたのだそう。
今回の展示では、初代・玉川覚兵衛から現在の七代目・玉川基行まで、200年間をつなぐ7人の作品を拝見することができます。
作品は、オイルを張った台の上に設置されているため、鏡面反射が美しく、しっとりとした質感の印象的な展示となっています。
玉川堂は、1873年のウィーン万国博覧会をはじめ、戦前まで約30回の海外博覧会へ出品、受賞なさっているのだそう。
古き良き時代の香りと、日本の誇りが伝わってくるような、美しく見事な作品の数々です。
幾世代を超え、静謐な時を刻み続ける、美の小宇宙。
200年という記念すべき年の作品展、ぜひお出かけください。
「玉川堂200年展 」
6月4日(土)〜 6月19日(日)
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル 3階
11:00〜20:00(入場は閉館の30分前まで)
実演などイベントの予定は、玉川堂ホームページをご覧ください。
http://www.gyokusendo.com/news/4680
[ミル]
2016年6月 7日 18:00
(「銀座・画廊の夜会2016 その1」の記事)
/archive/2016/05/-2016-1.html
前回からの続きです
中央通りに面した黒田陶苑。
提灯の灯りがとても似合っていました。
榊莫山の書が飾られた、3階の落ち着いた空間。
「-花-今井完眞 陶芸展」が開催されていました。
京都の若手の作家さんの作品とのことで、細部まで作りこまれた自然の造形がとても印象的でした。
こちらは「プロテア」という作品。
アフリカ原産の花の生命力を感じさせる、美しい陶芸。
和の空間と調和していました
こちらはギャルリーためなが。
今年1月に逝去された「ポール・アイズビリ追悼展」を開催されていました。
アイズビリの作品を、1969年の開廊以来紹介して来られたとのことで、初期から晩年を網羅した展示をなさっていました。
南欧の明るい色彩が印象的な作品がたくさん並んでいました
玄関の佇まいも雰囲気のある、思文閣銀座。
「コンラッド・ヨン・ゴードリー展」が開催されていました
山や滝の作品は、絵具の刷毛目で表現されたもの。
離れた場所で見ると、まるで写真のようでした。
思文閣銀座は、玄関から続くらせん階段を降りた先に、書斎のような展示室があり、空間をゆったりと使った展示がとても素敵でした
最後にお伺いした、日動画廊。
玄関の両側の石像が、夜はとても神秘的でした
開催されていたのは、「第53回太陽展」。
新旧の作家の作品が一堂に会して展示されていて、とても見ごたえがありました
梅原龍三郎や中川一政、向井潤吉といった大家の作品も多く展示されていました。
美術館よりももっと近くで拝見することができて、とても嬉しかったです
そして、ここで21時の終了時間を迎えました
今回わたしは3時間の参加で、12の画廊を巡りました
本来の開催時間は4時間ですが、24画廊全部を巡ろうと思ったら、かなり駆け足になりそうです。
華やかな、初夏の夜の銀座もとても美しく、移動中も楽しめる「画廊の夜会」でした。
ご興味ある方は、ぜひ来年参加なさってみてください
画廊の夜会
http://ginza-galleries.com/yakai.html