[巻渕彰/写楽さい]
2015年4月16日 14:00
中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)で、企画展「築地小劇場とその周辺~新蔵資料を中心に~」が4月11日(土)からはじまった。日本初の新劇常設劇場「築地小劇場」にまつわる公演ポスターや舞台装置模型のほか新蔵資料群を展示している。会期は5月24日(日)まで、入場無料。
築地小劇場は大正13年(1924)、土方与志(ひじかた・よし)、小山内薫を中心に結成された。当時の「新劇運動」のなかで上演が続けられ、そこから今日につながる劇団も生まれた。昭和20年(1945)3月の東京大空襲で焼失してその幕を閉じる。跡地は築地2-11-17で、記念碑・説明板が建立されている。
展示品には小劇場の配置図や昭和戦前期を彩った公演ポスターが数多く出品されている。500席弱の客席を備えた劇場内は観客から舞台を見やすくするため、床面に傾斜が付けられていたという。今では当たり前だが、当時としては日本初の設備だったそうだ。
築地小劇場で舞台装置を担当し、戦後は映画界で活躍した田辺達の原画や衣装イメージ図など新しい収蔵資料が数多く展示されているので、舞台づくりの真髄が垣間見えてくるようだ。@巻渕彰
[巻渕彰/写楽さい]
2015年4月10日 14:00
坂本町公園の一角に「兜町・茅場町まちかど展示館」が3月開館した(写真下)。町内神輿や山車のほか、消防関係の資料などが展示されている。中には日本銀行の皮半纏(はんてん)など貴重な資料がある。
展示館には茅場町1丁目、2・3丁目、兜町の神輿と兜町の山車がにぎやかに飾られている。この地域には江戸期、日枝神社御旅所だった摂社が鎮座していて、天下祭で知られる山王祭が隔年の夏に挙行される。
注目したい展示物に、「日本銀行皮半纏」がある。大正時代に日銀から贈られた鹿皮製の半纏で、背中に日銀の代紋と漢字で「本」が描かれ、「日本」と読める(写真右上)。
ほかに、昭和の初めに贈られた「清水ビルヂングの鹿皮半纏」や、大正時代に使われたという「刺し子の半纏と頭巾」、江戸町火消二番組百組の「纏(まとい)」も展示されている。
地域の変遷を記した説明板が設置されているので、兜町・茅場町の歴史散歩には格好の展示館といえよう。「中央区まちかど展示館」をめぐる楽しみがまたひとつ増えた。こちら>> @巻渕彰