[織衣舞]
2013年2月14日 08:30
明治座140年記念公演 今月は"かたき同志" ( 2/3~2/28 ) 。 作・橋田壽賀子 演出・石井ふく子 藤山直美・三田佳子 待望の顔合わせです。笑いと涙の下町人情物語です。
川をはさんで両岸の町に暮らしていた、ひさご亭と越後屋。飲み屋、ひさご亭の女将・かめ(藤山直美)は、ひとり息子の清太郎が自慢だった。 蘭学塾に通い、いずれは医者になり母親を楽させてやろうと言っている清太郎に全てを賭けて、仕事に精を出す日々。ところがある日、清太郎は医者にはならず飲み屋を継ぐと言い出した。
一方 呉服問屋、越後屋のお鶴(三田佳子)は、ひとり娘のお袖に旗本三男坊の松下源之助を婿に迎えたいと願っていた。しかしお袖には全くその気がない事を知り問い詰めた結果、ひさご亭のひとり息子清太郎に思いを寄せていることを知る。
ひさご亭に乗り込むお鶴、息子の勝手さに頭に血が上っているかめ、元々生活の違いから反発しあう土地者同士の上、互いのかわいい息子と娘の問題があい重なり、真向からの喧嘩になってしまう・・・
子どもたちの将来・子どもが巣立った後の自分たちの幸せと生きがい・・・今に通じる悩みに藤山直美と三田佳子が演じる「かめ」と「つる」の掛け合い、明るく強く対峙していきます。
明治座140年展がロビーで展開されています 明治・大正・昭和・平成の流れとともに懐かしい写真もありました。
[織衣舞]
2013年2月 8日 09:00
今月の出し物は 名作喜劇三本です。
①お種と仙太郎
息子夫婦の仲の良さを羨む姑と、その姑にいびられても
ジッと耐える嫁、そして姑を懲らしめようと乗り出す家族。
笑いの中に様々な形の愛情が盛り込まれています。
②大当り高津の富くじ(江戸育ち亀屋伊之助)
上方落語の名作「高津の富」をヒントに舞台化された作
品。伊之助は上方和事の"つっころばし"で演じられてい
ましたが、今回は中村梅雀に当てて江戸育ちに設定を
変え、江戸前の気前のいい若旦那・伊之助をご覧いただきます。
③おやじの女
亡くなった兄の妻と愛人との悶着の間で、弟が右往左往する可笑しみを描いた新派の
味に近い新喜劇作品。 水谷八重子・波乃久里子・渋谷天外という劇団新派と松竹新
喜劇の本格的な共演作品にご期待下さい。
出演者は水谷八重子さんら江戸の新派、 渋谷天外さんら大阪の新喜劇、 中村梅雀さ
んら元前進座のみなさんです。 それぞれの劇団やお家カラーがあり それらが溶け込ん
でマーブルのような楽しさが生れていました。
②の中で八重子さんの落としたかんざしを 天外さんがさりげなく拾ってあげていたり、
③では八重子さん久里子のかけあいはさすがで、 "憎しみと愛情は背中合わせ"のセリフ
がきいていました。
今年は喜劇発祥110年に当たります。曾我廼家五郎・十郎さんが歌舞伎でもなく にわか
でもない新しい笑える芝居を作ろうと一念発起し、「喜劇」を生み出します。時は明治37年
2月、 場所は道頓堀の浪花座でした。