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大奮闘の猿之助さんー明治座11月花形歌舞伎

[滅紫] 2012年11月10日 08:30

明治座は来年4月で140周年になる東京で最も長い歴史を持つ劇場。私は平成5年の建替後の杮落とし公演以来19年ぶりです。2Fのロビーギャラリーで「明治座140年展」として喜昇座以来の歴史を写真パネルで展示中。許可を頂いて写真を撮らせていただきました。千歳座開場の明治18年(1885年)11月初演の作品が現在演舞場で上演中の「四千両」です。

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明治座の歴史をざっとおさらいすると創業明治6年(1873年)現在の久松警察署の南側に建てられ喜昇座として開場


明治12年(1879年)久松座、明治18年(1885年)千歳座、明治26年(1893年)明治座


その時代時代の出演者や演し物が写真で紹介されていますのでなかなか楽しめます。劇場にいらしたら是非ご一見を。市川団十郎が明治29年(1896年)9月に出演して25日間大入り満員。其の時そば札を大入り袋に入れて配ったのが、今日の大入り袋の始まりーというような話も出ていますよ。


さて、今月の夜の部は「天竺徳兵衛新噺」(いまようばなし)の通し。南北の出世作となった「天竺徳兵衛韓噺」(いこくばなし)を三代目猿之助が復活上演する時、「韓噺」を土台に小幡小平次の怪談話を織り交ぜたものです。天竺徳兵衛は江戸時代の実在の人物で角倉了以の配下として寛永年間に天竺(インド)に渡り、帰国後その体験を聞き書きに残し評判になりました。初演は文化元年河原崎座で初世松助の早替りが余りに鮮やかなのでキリシタン妖術と評判になり奉行が直々に検分に来たという話があるほどです。(小屋の宣伝だという話も)。当代の猿之助さん、泉水に飛び込んだ座頭が花道から上使役で、小平次の幽霊が悪婆のおとわへと何回もの早替りを何とも楽しそうにのびやかに演じています。隣の方が「こちらまで楽しくさせてくれますね}と仰っていました。最後は圧巻の葛籠抜けの宙乗り。しまった!2階席にすればよかった!と思うのはこの時ですね。遅かりし。お昼の部は「傾城反魂香」と「蜘蛛糸梓弦」(くものいとあずさのゆみはり)こちらも早替りです。


お問い合わせは明治座チケットセンター 03-3666-6666、(10:00~17:00)

チケットホン松竹0570-000-489(10:00~18:00)インターネット席とりくん

27日までです。

 

 

 

「顔見世」開幕ー11月新橋演舞場

[滅紫] 2012年11月 6日 13:00

「歌舞伎の正月」といわれる恒例の顔見世が11月1日から始まりました。私が出かけたのは5日、2日から片岡仁左衛門さんが休演となり夜の熊谷は尾上松緑さん、昼の南与兵衛は梅玉さんが代役です。 100_0905.JPG                        

100_0907.JPG 梅玉さんは2ヶ月続きの代役。仁左衛門さんは10月の名古屋御園座の顔見世から始まって、11月の演舞場、12月の南座と3ヶ月続きの顔見世出演が予定されていたので心配なファンの方も多いと思います。代役の方も翌日からすぐ舞台に立つわけですから本当に大変。僧形姿の松緑さんが花道を引っ込むと熱演に大きな拍手が。いつまでもお若い藤十郎さんの「汐汲」の後は菊五郎さんの「四千両」です。安政2年(1855)に実際にあった江戸城のご金蔵破り事件を基にした作品で初演の時の富蔵役は五代目菊五郎。珍しいのは「伝馬町の牢内の場」で牢内の序列や風習、新入りに「牢の規則を読み聞かす場面など江戸時代の牢内の場面がリアルです。黙阿弥は実際に牢番人役を勤めた田村成義からの情報を基に書いたといわれています。昼は「双蝶々曲輪日記」「文七元結」です。今月は明治座も猿之助の昼夜公演。「顔見世」は季節の風物詩。今年一年も終りに近づいた感じが強くなってきます。昼の部を見るまでに仁左衛門さんが復帰できることを祈りつつ。

チケットホン松竹:0570-000-489(10:00~18:00)千穐楽は25日です。

 

 
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