[滅紫]
2014年9月13日 14:00
ブームの書下ろし時代小説の中でも目立っているのが料理人もの。「みをつくし料理帖」(高田郁)や「料理人季蔵捕物控」(和田はつ子)などに登場する江戸時代の料理の多彩なことには驚嘆してしまう。勿論作家の筆に冴えによるところが多いと思うが如何にも美味しそうでつい作ってみたものの。・・・味がきまらない。・・どちらの作品にも出てくる万能調味料「煎酒」が最近復元・市販されるようになり人気と聞き銀座三河屋さんにやってきました。(これさえあれば、私でも。・・・・・)
「煎酒」(いりざけ)は「日本酒に梅干しと花かつおを入れ煮詰めたもの」でお店によって味も少しずつ違ったようで作るのも料理人の腕の見せ所だったようです。「甘みそ」は「18か月間天然醸造された豆味噌に化学調味料は使用せず自然な甘みを加え丹念に練り上げたもの」、江戸時代には砂糖が大変高価だったため貴重品だったとのこと。豆腐田楽や味噌おでん、焼きおにぎりにもいいそうです。
三河屋さんは「江戸の食と伝統を今日に伝える江戸食(スローフード)の店」と案内にあるように元禄時代汐留に酒商としてお店を開いたのが始まりで江戸後期には銀座8丁目で御用商人として小間物を徳川家や大名に納めていた老舗です。江戸開府400年の平成15年に「江戸食の店」として現在の業態になりました。
「あわび煮貝」や「昔の沢庵」「里牛蒡」「煮ぬき汁」など江戸時代からの変わらぬ味の他、最近では古文書を元に再現された「江戸元禄の酒」が人気です。
江戸のDNAが脈々と受け継がれているのでしょうか?店内には江戸料理の書籍なども紹介されていて、江戸好きには見逃せないとても楽しいお店です。
帰りに近くの珈琲「玲」にお寄りしてマダムに「煎酒」の話をすると「何といっても玉子かけごはんが最高!」とのこと。そういえば「煎酒」が発売されているという話を最初に伺ったのはこちらだったか!と漸く思い出しました。ああ!年齢のせいでしょうか?「煎酒」のレシピもいただいたのでこれからしばらくいろいろ試してみることにしましょう。
「我流創作料理」の実験台にされる家人にいつも迷惑がられているのですが、これなら大丈夫そうです。ふふふ
煎酒300ml 600円、甘みそ600円(税別)
銀座三河屋 銀座8-8-18金春.通り TEL3571-0136 11:00~20:00(日祝休み)www.ginza-mikawaya.jp
[滅紫]
2014年9月10日 14:00
大正ロマンを代表する詩人画家、竹久夢二は明治17年(1884)9月16日に岡山県で生まれた。今年で130年。八重洲1丁目のみずほ信託銀行の正面入り口に「夢二・港屋ゆかりの地」の碑が建てられている。
夢二式と謳われる独特の美人画と抒情詩文で絶大な人気を誇っていた夢二は大正3年(1914)趣味の店港屋をこの碑のあるところから西へ130mのところに開き、夢二のデザインによる版画、封筒、カード、絵葉書、手ぬぐい、半襟などを売ったという。「美術家自身がその作品を商品化し、販売する店を作ったという展で日本の商業美術史上重要な意義を持つ」と碑の説明にある。確かに当時としては画期的な斬新なアイデアだったと思われる。今年は港屋絵草紙店がこの地に開かれてからも100年という記念すべき年、「生誕130年竹久夢二展~ベルエポックを生きた夢二とロートレック」と題して記念展が高島屋各店を巡回中。「雑誌の表紙や広告から日用品まで幅広くデザインを手がけ、商業美術や出版の世界でも卓越した存在。画壇に属さず時代の先端を読み取る感性を持ち版画・ポスターを独立したジャンルにまで高めた2人はベルエポックを象徴する芸術家」(展覧会の案内パンフ)として2人を対比した企画のようだ。日本橋高島屋さんと碑は距離も近いので「見てから寄るか」「寄ってから見るか」お楽しみに。
「生誕130年竹久夢二展」は9月26日~10月6日まで日本橋高島屋
「夢二・港屋ゆかりの地」の碑 八重洲1-2-1 みずほ信託銀行本店正面入り口のそば
[滅紫]
2014年9月10日 14:00
今日は「中秋の名月」というのに雨催いの様子でちょっと残念ですが、流石に暑さも峠を越えたと見え、芝居見物にはよい季節となってきました。9月は初代吉右衛門の俳名を冠した「秀山祭」大歌舞伎、当代の2代目吉右衛門さんを始め播磨屋一門総出演に6月に復帰した仁左衛門さんが加わる前評判も高い公演です。今月は先に昼の部から見ることにしました。今回は人気の「法界坊」は殺された法界坊が姫と合体する踊りの「二面水照月」も上演され、珍しい吉右衛門さんの女方、すっぽんから上がっただけで客席から笑いが起こります。姫になっているときの声は黒子の付声。黒子がどうみても女性に見えたので?と思ったら野分姫を演じていた種之助さんが務めていたらしい。仁左衛門さん演じる「道具屋甚三」と法界坊とのからみは余裕の可笑しさで客席に笑いが渦巻く。アドリブで「いい仕事してますね!」などというセリフがあり、?。幕間にTVの鑑定番組で知られた方の姿を見て腑に落ちた。こういう遊びが楽しい。夜の部は「絵本太閤記」と仁左衛門さんとお孫さんの千之助くんが踊る話題の「連獅子」、染五郎さんの「御所の五郎蔵」と義太夫物、世話物、舞踊とバランスのよい組み合わせで見逃せないものばかり。秋が深まるにつれ歌舞伎上演の劇場も増え、ますますお小遣い不足の日々が続きそうです。トホホ
「秀山祭九月大歌舞伎」千穐楽は25日 お問い合わせはチケットホン松竹 0570-000-489(10:00~18:00)