[滅紫]
2017年10月29日 09:00
十月歌舞伎公演千穐楽から一日置いた27日「河東節開曲三百年記念演奏会」が昼夜歌舞伎座で行われました。
「河東節」は市川宗家が歌舞伎十八番の「助六所縁江戸桜」を上演する時、必ず御簾の内に素人の旦那衆「河東節御連中」が出演することで知られていますが、この形式が定着したのは二代目團十郎が「助六」を初演した江戸時代半ば以来とのこと。初代十寸見河東(ますみかとう)が江戸浄瑠璃の半太夫節から分かれ独立創始したのは享保2年(1717年)、今年で丁度300年になるのを記念しての催しです。初代の十寸見河東は日本橋の魚商、天満屋の子で江戸半太夫門下で頭角を現し、独立したものです。(浄瑠璃に熱中してお店をつぶしたとか・・・)
記念の会で一日だけの公演とあって客席はきれいどころのお姐さん方、俳優さんたちのお顔もちらほら、来場者にも華やかな訪問着姿が多く目の保養。昼の部は300年前に独立した時演奏されたという「松の内」で幕が開きます。江戸時代から河東節とつながりの深い市川宗家の海老蔵さんの「口上」のあとは2人のお子さん、麗禾ちゃんと勸玄くんの舞踊「海老」、登場しただけで大拍手。後見の海老蔵さんの心配そうな顔が微笑ましい。そして「松廼寿三番叟」は美術が何と吉田五十八、翁が菊五郎、千歳が菊之助、三番叟が海老蔵という豪華版。昼の部の最後は舞踊「助六所縁江戸桜」で海老蔵さんです。いつもの舞台では吉原の三浦屋の格子の内側で客席からはお顔の見えない「河東節御連中」が舞台に70名近くずらりと黒紋付き姿で並んでいるのは壮観です。プログラムをよく見ると昼の部の出演は全員女性、夜の部の浄瑠璃方は全員男性になっていました。日本橋や銀座のご主人も中にいらっしゃるのかも知れませんね。
[滅紫]
2017年10月18日 09:00
次の予定まで時間が空いてお茶でもと覗いたウィンドウで「帰って来たスパゲッテイ・ミートソース」を見つけました。懐かしくなり吸い込まれるようにお店に。東洋は創業60年、どこか創業当時の昭和レトロな雰囲気の店内で家族連れやカップル、年齢層も様々な方が美味しそうに召し上がっています。カレーライス、ハヤシライス、グラタンなど懐かしの日本の洋食です。迷った挙句スパゲッテイ・ナポリタン(950円)を。まずは卵スープ、付いてきたグリーンサラダにはたっぷりのポテトサラダとトマトが添えられています。
これだけでもすっかり気分は昭和!お目当てのスパゲッテイ・ナポリタンがやってきました。そして何とタバスコとグリーンの筒に入ったパルメザンチーズ。そういえば以前はスパゲッテイといえばこの2つが付きものでしたねー。ナポリタンにはピーマンと玉ねぎ、ハムとスライスしたソーセージ、ケチャップ味です。スパゲッテイはしっかり茹でてあり、「これがナポリタンだったわ」と少々ノスタルジックな気分に。
「パスタはアルデンテ」は今やすっかり定着していますが、確か50年近く前に伊丹十三が「女たちへ」で書いたのが最初だったのではと記憶しています。随分気障で鼻もちならないと感じながらヨーロッパの香りに憧れていたのでしょうか、今でも内容を結構覚えていることに気が付きました。
イタリア料理の先生も時々ナポリタンが食べたくなると言ってみんなを笑わせているのですが、ナポリタンを創作した日本人て、やはり凄いですね。次は「帰って来たスパゲッテイ・ミートソース」に挑戦してみたいと思います。
東洋日本橋コレド前店 日本橋1-2-10 TEL 3271-0007
営業時間 10-22時 土祝は11-20時
[滅紫]
2017年10月14日 14:00
幕開きで歌舞伎座の客席がどよめいたあの衝撃的だった「NINAGAWA十二夜」から12年、菊之助の新作歌舞伎第2弾が始まりました。「マハーバーラタ」は「ラーマーヤナ」と並ぶインドの2大叙事詩という知識しかないので、どんな舞台になるのかとても楽しみに、また理解できるのかと少々不安に待っていました。幕が開くと忠臣蔵の大序のようにインドの神々は板付きで竹本に合わせてひとりずつ顔を上げていきます。シバ神、梵天、太陽神などの神々の衣裳も豪華。「難解かも」という心配ご無用、あっという間に舞台に引き込まれます。
粗筋は、神々が争いに満ちた人間界に母を同じくし、父が太陽神と帝釈天である二人の兄弟を送り出し「慈愛」と「力」を体現する二人に争いを止めようとさせます。太陽神の子が慈愛に満ちた迦楼奈(かるな)、帝釈天は無敵の子阿龍樹雷(あるじゅら)。慈愛と力そのどちらが争いを止めるのか迦楼奈は自らの使命に迷い翻弄されながらついには宿敵、阿龍樹雷との最後の戦いへと向かいます。結末は如何に?
長大な原作の中から迦楼奈中心の脚本にしたのは現代演劇の作家青木豪、演出は宮城聰です。菊之助さん演じる主人公「迦楼奈」松也さんの「阿龍樹雷」珍しく七之助さんは敵役の「鶴妖朶」(つるようだ)王女を演じています。神々に菊五郎さん左團次さんと豪華な配役。
今年は日印友好交流年記念に当たり、その特別企画とのこと。売店で「オリジナル・マサラチャイ」(8包500円)を見つけました。お芝居の余韻に浸りながらいただくことにします。
10月の真夏日になった暑い日でしたが客席もカーテンコールの熱い拍手が鳴りやみませんでした。
夜の部は玉三郎さんが淀君を初役で演じるのが話題の「沓手鳥孤城落月」、「漢人韓文手管始」「秋の色種」と見逃せません。国立は仁左衛門さんの「霊験亀山鉾」、新橋演舞場は猿之助さんの怪我で吃驚しましたが代役を右近さんが演じる「ワンピース」と歌舞伎ファンには忙しい楽しみのお財布には痛い10月です。
「芸術祭十月歌舞伎」千穐楽は25日 チケットのお問い合わせはチケットホン松竹「0570-000-489 10時~18時
[滅紫]
2017年10月 5日 09:00
「俺の」チェーンの新業態「俺のBakery & Café」2号店が銀座松屋裏に10月1日OPENしました。
オープン当日には行けなかったので早速3日目の本日のぞいてみました。凄い列なのかなと不安でしたが、「今ならどの種類もあります」と云われちょっと拍子抜けしました。食パンは「俺の生食パン」(1000円)「山型食パン」(900円)(2斤一本税込み)その他「大納言」「コーヒーレーズン」「4種のチーズ食パン」(1斤で900円)10月中旬から限定品で何と「トリュフ・トリュフ・トリュフ」が発売予定だそうです。
今日は「俺の生食パン」と「4種のチーズ食パン」を求め、2階のカフェへ。カウンターと椅子席があり40人近く入れそうです。お昼をずらしたのでお腹ペコペコ。「厚切り玉子のサンド」(680円)とプレミアムカフェラテ(880円)をお願いしました。
たっぷりしたラテのカップには「俺の」ロゴ入りです。厚焼きたまごサンドは本当に厚焼きの玉子にマスタードがしっかり利いていて「しまった!飲み物はワインにすべきだった」と一口いただいた瞬間に感じました。勿論コーヒーでも合いますが。しばし夢中でいただいた後でメニューの「岩手ながほら牧場の自然放牧牛乳のソフト」(500円)が目から離れません。ウーン、カロリーオーバーだなと思いながらエイヤ!と注文してしまいました。ガラスの器もなかなか素敵で、サービスの人に「いいですね」と話すと「シェフが凝ってあちこち探し回ったものです」とのこと。お砂糖はla Perrucheのものだったので使わないのにもらってきました。
メニューは豊富でサンドには「玉ねぎのグラタントースト」「小倉とバターのサンド」デザートには「メロンパンとながほらソフト」「俺のフレンチトーストバニラアイス添え」と魅力的。しばらく気になったメニューを制覇するまで通うことになりそうです。
「俺のフレンチ」から始まった「俺の」チェーン、焼き立てパンの次は何でしょうね。
「俺のBakery & Café」松屋銀座裏 銀座3-7-16 NSビル1-2F
TEL 03-6263-2985 営業時間9時―21時 定休日 不定休
パンは種類によって焼き上がり時間が異なるのでご確認ください