今日は、お題として「すずらん通り」を取り上げたいと思います。以前ある記事を書いたとき、この通り(「銀座すずらん通り」)について間違えてお伝えをしてしまいました(既にその箇所は修正済です)。中央区の観光情報を正しくお伝えする特派員として今後間違えないように、今回はこの通りについて更に深く掘り下げてみたいと思います
銀座すずらん通りといえば、中央通りの一本西側の銀座5丁目から7丁目までのタテの通りです。メジャーな中央通りに比べ、人通りもあまり多くは無い通りですが、晴海通り沿いには「SUZURAN ST」と大きく書かれたゲートがあり、存在感があります。
さらには12月30日付記事「MMM~銀座にヨーロッパの風を感じて(/archive/2015/12/mmm.html)」でもご紹介の通り、素敵なお店が立ち並ぶ通りでもあります。【銀座すずらん通りの銀座木の実ビル】⇒何だこれは。。。ゴリラが壁を登ってる!
さて、そんな銀座すずらん通りですが、実は同じ銀座の中でも場所(南北)によって道の名前が変わります。晴海通りをはさんだ4丁目から北は「銀座ガス灯通り」、そして8丁目は「金春(こんぱる)通り」となります。【ガス灯通りにある復元ガス灯】
【金春通り】
1本の通りに3つも名前があって「ぶり はまち、元はいなだの出世魚」ではないですが「(スズ)ラン (金春)芸者、いちに(1、2丁目)はあかり(=ガス灯)出世みち(=通))」などと下手な川柳ができそうです。しかし、銀座には実は他にも「出世通り」(あずま⇒信楽、レンガ⇒西五番⇒見番)があって、お店などの紹介の際には気を付けたいところです!【銀座地域通り地図(中央区道路課作成地図を改変)】⇒①あずま⇒信楽(黄)、②ガス灯⇒すずらん⇒金春(赤)、③レンガ⇒西五番⇒見番(青)
さて、一件落着と思いきや「すずらん通り」には、更にもう一つお題がありました。12月29日付記事の「二つのMIYUKI DORI(/archive/2015/12/post-2960.html)」では区内にある2つの御幸通りを紹介しましたが「SUZURAN DORI」はなんと三つもありました。ーーー銀座の他に八丁堀の「鈴らん通り」、そして薬研堀(東日本橋)の「すずらん通り」です。
【八丁堀の鈴らん通り】
銀座すずらん通りも、素敵な通りですが「(八丁堀)鈴らん通り」も、戦前は映画館、寄席、ダンスホールなどが立ち並んで「下町の銀座」とも云われたそうです。更には江戸時代に遡ればそこはかっこいい八丁堀の旦那(与力、同心)の住む粋なエリアでした。こちらには「八丁堀与力・同心組屋敷跡」の教育委員会による説明板があり、現在も8月18日付ブログで紹介した「コピティアム 新加坡小餐館(/archive/2015/08/kopi-tiam-in.html)」など魅力的なお店が多く立ち並ぶエリアです。【薬研堀のすずらん通り】
そして「(薬研堀)すずらん通り」ですが、こちらは銀座や八丁堀と比べるとちょっと静かな通りですが、享保2年(1717年)創業というお茶屋さん「ほりつ茶舗」があるほか、「金鳥(キンチョ―)」のマークで知られる大日本除虫菊の東京支店があり、こちらの赤いマークもかなりインパクトがありますが、なんといってもこの通りの名物は、通りの中央、大川の向こうに聳える見事なスカイツリーの風景でしょう。
【薬研堀 すずらん通り】
「すずらん通り」は、その名の親しみやすさや清らかなイメージのためか非常に人気もあり、全国に同名さんはかなりの数がありそうです。その元祖は神田のすずらん通りのようですが、今では神田を中心に8つのすずらん通り(赤羽、阿佐ヶ谷、荻窪、経堂、銀座、立川、成増)が集まる「東京すずらん通りサミット」まで結成されているとか。
追記:ガス灯通りはこれまでの説明だけでもすでにややこしいのですが、更には、2丁目部分は以前は「観世(かんぜ)通り」と云ったそうです。江戸時代、ここに観世屋敷(猿楽(能楽)の家元観世太夫のお屋敷)があったことが名前の由来だったようですが、このあたりは8丁目の金春通りと同様な歴史的な経緯のようです。平成16年に地元からの改名申請もあり、1丁目から4丁目まで一緒に銀座ガス灯通りと改名された(中央区役所道路課工務係)そうです。【区内3つの鈴らん通り(中央区道路課作成地図を改変)】
【銀座すずらん通り】
所在地:〒104-0061 中央区銀座5-6から7-8まで
【銀座ガス灯通り】
所在地:〒104-0061 中央区銀座1-7から4-4まで
【金春通り】
所在地:〒104-0061 中央区銀座8-7から8-8まで
【銀座 木の実ビル(ゴリラの壁登り)】
所在地:〒104-0061 中央区銀座6丁目8−6
【鈴らん通り】
所在地:〒104-0032 中央区八丁堀1-8から3-18まで
交通:地下鉄日比谷線・JR京葉線八丁堀駅下車
【八丁堀与力・同心組屋敷跡】
所在地:〒104-0032 中央区八丁堀3-17-9(京華スクエア目の前)
交通:地下鉄日比谷線・JR京葉線八丁堀駅下車30秒
【すずらん通り】
所在地:〒103‐0004 中央区東日本橋2‐4から2‐19まで
交通:地下鉄都営浅草線東日本橋駅下車