『ギフト、そして自分も楽しむ』をヒット オンして取材します、rosemary seaです。
映画「祈りの幕が下りる時」公開記念 明治座バックステージツアー ①・② はこちらです。
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(C)2018映画「祈りの幕が下りる時」製作委員会
前回、前々回の続きをお伝えします。
舞台をご案内くださったのは、明治座舞台株式会社 装置担当チーフマネージャー 後藤順二さんです。
明かりを調節するところ:調光室や、ピンスポットを当てるところ:ピンルーム若しくはセンターといわれる場所をライトを当てて説明。宙乗りの装置なども説明。
音を出すところ:調整室の説明では実際に、「バイクの走り去る音」や「電車の音」、「海辺のかもめの鳴く声」を流していただきました。
花道、花道の先の揚幕(あげまく)の説明。
花道は外国にはなく、日本特有のもの。客席の間を通る本花道は商業演劇場にしかないそうです。
必要に応じて、設置したり外したりできるそうで、映画の撮影の時は花道は設置されていませんでした。
舞台に近い部分はボタン1つで下に収納され、その上に椅子を並べて客席数を増やすことができます。
花道の中にある「せり」は「すっぽん」というそうです。
さて、本舞台の説明。
今、下に敷かれているのはリノリウム。
リノリウムの下には檜(ひのき)の床。檜舞台です。
大きな丸い切り込みが入っているのが、「廻り舞台」。「盆」と呼ばれるそうです。直径約14m。
お客様を盆に乗せたまま、実際に180度回していただきました。
せりが大小含めて5つ。
ビルの3,4階部分にある舞台から、ビルの1階部分まで下りるせりもあるそうです。
盆が廻ったり、せりが上昇下降するたびにお客様からはおおーっと歓声があがりました。
家のセットの説明、セット収納場所の説明。
客席から舞台をみて、右が上手(かみて)、左が下手(しもて)。
松羽目(まつばめ)。羽目板に松の絵が描いてあるので松羽目。
歌舞伎などの公演で使います。元々は能舞台からきています。
これも実際に下してもらいました。
これは「大バック(おおばっく)」と言いまして、重量はだいたい150キロから200キロ。
それを人間1人で、綱元(つなもと)というロープを引いて操作します。
日本の演劇では「黒は見えない」という約束になっています。
舞台の四隅には黒い布が下がり、舞台スタッフが黒色を着るのもこのためです。
大道具スタッフが使う道具「なぐり」。
ひと昔前はよく「なぐり」で釘を打ったりしましたが、現在は、上演中はできるだけ作業の音を立てないように、ドリルドライバーで打っています。
進化しています・・・。
質問コーナーの後、個別に後藤さんにインタビュー。
ー 映画では明治座もいっぱい映りましたね。
自分も観に行ったんですけれど、始まってすぐに明治座のビルがバーンと映ったのでとても感慨深いものがありました。
最後のシーンも良かったですね。
ー 花道の突き当りの、鳥屋(とや)と呼ばれる小部屋の入り口に掛かっている紺色の幕が揚幕(あげまく)でしたね。
はい。揚幕は開ける時に音がするようにできています。
「シャリン!」と勢いよく音を立てて開けることで、今から役者が登場します!という合図になり、お客様は揚幕を注目するわけです。
演出によっては、音をたてずに静かに開けることもあるので、公演前の稽古で、都度「シャリンありか?なしか?」を確認するんです。
紺の布地に明治座の紋、大和桜を染め上げています。
ー 後藤さん、どうもありがとうございました。
日本橋浜町2-31-1
明治座チケットセンター
03-3666-6666
受付時間 10:00~17:00
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映画「祈りの幕が下りる時」の公式サイトはこちら
⇒ http://inorinomaku-movie.jp/